小山寺 (美濃加茂市)

小山寺（しょうざんじ）

小山寺は、岐阜県美濃加茂市にある臨済宗妙心寺派の寺院です。山号は仁慈山で、地元では「小山観音」や「こやま観音」という名で親しまれています。特に子授けの観音様として信仰を集めており、毎年3月の第1日曜日に行われる初午祭は多くの参拝者で賑わいます。

本尊とご利益

本尊は馬頭観音で、三面六臂の立像として祀られています。この馬頭観音は養蚕の守護仏とされており、また開運のご利益もあると伝えられています。

立地

小山寺は、飛騨川の中の岩の島に位置しています。元々は陸続きの岩山でしたが、下流に今渡ダムが建設されたことで周囲が水没し、現在の孤島の形になりました。1938年には、飛騨川左岸とを結ぶ「かんのん橋」が開通し、参拝者のアクセスが容易になりました。

沿革

小山寺の創建には、いくつかの伝承が残されています。

平安時代末期、木曾義仲が母親の若名御前を弔うために、所持していた（または若名御前の護身仏とされる）1寸8分の馬頭観音を祀り、観音堂を建立したのが始まりという説があります。
室町時代には、仁済禅師が唐銭300枚を溶かして高さ1尺の馬頭観音を新たに作り、小山観音の本尊としたと伝えられています。木曾義仲ゆかりの馬頭観音は秘仏とされています。
1657年（明暦3年）に、小山観音堂は仁慈山小山寺として正式に開創されました。

子授け観音の伝説

小山寺が子授けの観音様として信仰されるようになった背景には、次のような伝説があります。

室町時代の1434年頃、近くの村に住む女性、お島が子宝に恵まれるよう百日間の願掛けを行いました。満願の夜、夢の中に白髭の老人が現れ、「唐銭を1枚飲み込めば子が授かる」というお告げを受けました。お告げ通りにすると、お島は男の子を授かりましたが、不思議なことにその男の子は左手に唐銭を握っていました。「この子は観音様の申し子に違いない」と思ったお島は、小山観音を深く信仰するようになったと伝えられています。

その男の子は後に仏門に入り、仁済禅師となりました。お島と仁済禅師は、のちに周元通宝300枚を溶かして高さ1尺の馬頭観音を新たに作り、小山観音の本尊としたとされています。

所在地

岐阜県美濃加茂市下米田町小山104

交通アクセス

JR高山本線古井駅より徒歩15分
JR高山本線美濃太田駅より東濃鉄道八百津線「八百津ファミリーセンター」行きバスに乗車、「観音口」バス停下車後、徒歩3分
美濃加茂市コミュニティバス「あい愛バス」の「秋葉神社前」バス停下車後、徒歩3分

外部リンク

小山観音 - 美濃加茂市観光協会

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