小山春夫

小山春夫は、1934年1月19日に新潟県で生まれた日本の漫画家です。中学卒業後、実家が農家であったため、長男として家業を継ぎました。しかし、漫画への情熱を捨てきれず、通信教育で美術を学び始めます。そんな中、山川惣治の模写を少年画報社に送ったことがきっかけで、18歳で上京し、漫画家としてのキャリアをスタートさせました。

少年画報社では、住み込みで働きながら、御茶ノ水の文化学院の夜学にも通いました。その後、武内つなよし、桑田次郎、吉田竜夫といった漫画家のアシスタントを経験し、白土三平と出会います。白土が主宰する赤目プロには9年間在籍し、『カムイ外伝』や『サスケ』などの作画を担当しました。また、赤目プロ名義でオリジナル作品も発表しています。

初期には貸本漫画や少年誌で活動していましたが、1970年代からは青年誌にも進出し、活動の幅を広げました。代表作には、山田風太郎原作の『甲賀忍法帖』があり、その独特な世界観は多くの読者を魅了しました。また、『週刊少年サンデー』に連載された『源とツグミ』は、高橋留美子に「少年サンデー史上最も心に残る作品」と絶賛されるなど、幅広い作風で知られています。

小山春夫の主な作品は以下の通りです。

甲賀忍法帖（作：山田風太郎、東邦図書出版社、全3巻）
疾風土蜘蛛党（一晃社、全1巻）
無惨血笑鬼（一晃社、全1巻）※単行本『疾風土蜘蛛党』に収録
真田十勇士 猿飛サスケ（週刊少年キング、少年画報社、全1巻）
源とツグミ（作：李春子、週刊少年サンデー、小学館、全1巻）
陽気蝮（作：梶原一騎、週刊現代、講談社、全1巻）
風炎記（漫画フレッシュ、双葉社）※単行本『忍び無惨伝』に収録
忍び無惨伝（週刊漫画TIMES、芳文社、全1巻）
瞽女歌殺法（作：森幸太郎、週刊漫画ゴラク増刊、日本文芸社、全1巻）
忍法太閤記（作：梶原一騎、週刊漫画ゴラク、日本文芸社）※梶原一騎の単行本『一騎名勝負劇場』に収録
不死鳥のはばたき（監修：内山光雄、近藤書店、全1巻）
ある青春の物語（作：オストロフスキー、近藤書店、全1巻）
明日に生きる人に（作：大江遼介、近藤書店、全1巻）
誇りたかき詩（作：大江遼介、近藤書店、全1巻）
* 高安犬物語（作：戸川幸夫）※小学館入門百科シリーズ『名犬なんでも入門』に収録

これらの作品から、小山春夫の卓越した画力と、時代劇から現代劇まで幅広いジャンルに対応できる才能がうかがえます。特に、白土三平の影響を受けたという作風は、独特なタッチと迫力のある表現で多くのファンを魅了しています。少年時代から漫画家を志し、数々の苦労を乗り越えてきた小山春夫の作品は、今もなお多くの人々に愛されています。

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