小山田英治

小山田英治氏は、1962年生まれの研究者で、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科の教授として教鞭を執っています。専門分野は国際開発学、開発政治学、国際協力論であり、特に開発途上国のガバナンスや汚職問題に関する研究に力を入れています。

小山田氏の経歴は、研究者としての活動に加えて、国際機関での実務経験も豊富であることが特徴です。1991年から2001年までの10年間は、国連開発計画（UNDP）東京事務所に勤務し、国際開発の現場に携わりました。その後、2002年から2003年には、国際連合東ティモール・ミッションで事務総長特別副代表補佐官を務め、東ティモールの復興支援に貢献しました。2003年から2007年には、世界銀行ジャカルタ事務所にてガバナンスアドバイザーとして、インドネシアのガバナンス改革を支援しました。また、2004年と2005年には、国際連合パレスチナ選挙支援ユニットの西岸地区マネージャーとして、パレスチナにおける選挙支援にも従事しました。

研究者としては、2000年からフィリピン大学院開発マネジメント研究科の客員助教授、ガジャ・マダ大学平和・紛争解決センターの客員教授（2000-2003）、社会政治学研究科の客員教授（2005-10）、パラマディナ大学国際協力センター長・教授（2005-2010）など、様々な大学で教鞭を執りました。2010年からは同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科に准教授として着任し、2011年に教授に昇進しました。2017年には、ケンブリッジ大学大学院国際開発問題研究センターの客員フェローとして、国際開発分野の研究をさらに深めました。

学会活動も活発であり、2014年から2023年まで日本国際連合学会の理事を務め、2023年からは国際開発学会の常任理事を務めています。2021年には、長年の国際開発分野への貢献が認められ、日本国際開発学会特別賞を受賞しました。

小山田氏の著作には、著書『開発と汚職: 開発途上国の汚職・腐敗との闘いにおける新たな挑戦』（2019年、明石書店）、編著『開発政治学を学ぶための61冊: 開発途上国のガバナンス理解のために』（2018年、明石書店、金丸裕志、杉浦功一と共編著）、『東南アジアにおける汚職取締の政治学』（2022年、晃洋書房、外山文子と共編著）などがあります。また、訳書として、国連ボランティア計画編『平和のつくり方 : 紛争地帯の国連ボランティア』（1999年、清流出版）、監訳として、クレイグ・マーフィー著『国連開発計画〈UNDP〉の歴史 : 国連は世界の不平等にどう立ち向かってきたか』（2014年、明石書店、峯陽一と監訳）などがあります。これらの著作は、小山田氏の研究テーマである開発途上国のガバナンスや汚職問題に関する深い知見を示すものであり、国際開発分野の研究者や実務家にとって重要な参考文献となっています。

小山田氏は、国際開発の現場での豊富な経験と、学術的な研究活動の両方を兼ね備えた、国際開発分野における第一人者と言えるでしょう。

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