小川和紙

小川和紙：埼玉の伝統、手漉き和紙の魅力

小川和紙は、埼玉県比企郡小川町と秩父郡東秩父村で生産されている、手漉き和紙です。別名、細川紙とも呼ばれています。

歴史

小川町周辺は、細川紙が伝来する以前から和紙の産地として知られていました。その歴史は古く、1300年もの間、技術が受け継がれています。楮（こうぞ）のみを原料とした独特の製法で作られる細川紙は、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。これは、小川和紙の文化的価値が国際的に認められたことを意味します。

細川紙のルーツは、紀州高野山の細川村（現在の和歌山県高野町）で漉かれていた細川奉書の技術にあるとされています。江戸時代中期頃に、江戸に近い小川周辺にその技術が伝わったと考えられています。

特徴

小川和紙の最大の特徴は、その強度です。紙質が非常に強く、揉んでも元の状態に戻るほどの丈夫さを持っています。この特性が、小川和紙を特別なものにしています。

軍事利用

太平洋戦争中、小川和紙はその強度ゆえに、意外な用途で使用されました。それは、アメリカ本土を攻撃するために開発された兵器「風船爆弾」の風船部分の素材です。紙の強さと、産地が東京に近いという点が選定の理由でした。小川和紙の強靭さが、このような形で活かされたのは皮肉な事実です。

体験

小川町にある道の駅おがわまちや埼玉伝統工芸会館では、ヤッパシ紙すき体験コーナーが設けられており、実際に紙すきを体験することができます。伝統的な技術に触れ、和紙作りの難しさや面白さを体感できるでしょう。

関連情報

重要無形文化財
無形文化遺産
道の駅おがわまち
道の駅和紙の里ひがしちちぶ
小川町七夕まつり
和歌山県伊都郡高野町細川 - 小川和紙のルーツ「細川奉書」生産地（現在は衰退）
高野紙
風船爆弾

小川和紙は、その長い歴史と伝統に培われた、日本の大切な文化遺産です。その美しさ、強さ、そして背景にある物語に触れてみてはいかがでしょうか。

外部リンク

デジタル大辞泉プラスほか『小川和紙』 - コトバンク
デジタル大辞泉プラスほか『細川紙』 - コトバンク
小川町 小川和紙について - 細川紙
東秩父村 細川紙

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