小川祥志

小川 祥志（おがわ しょうし）

小川祥志氏は、1970年4月27日に千葉県船橋市で生を受けました。プロ野球選手として、主に内野手としてプレーし、そのキャリアを中日ドラゴンズで過ごしました。

高校時代の輝き

千葉県立印旛高等学校に進学し、野球部の一員となります。高校時代は、1年生の秋にはすでにエースナンバーを背負うなど、投手としてチームの中心的存在でした。特に、3年生の夏の全国高等学校野球選手権千葉大会では、2学年上の先輩である土橋勝征氏（後にプロ入りし、ヤクルトスワローズなどで活躍）らとともに、印旛高校を創部以来初となる決勝進出へと導く快進撃を見せます。決勝戦では強豪・拓大紅陵高校と対戦し、先発のマウンドに上がりました。しかし、相手チームの主軸打者であった佐藤幸彦氏（後にロッテオリオンズなどで活躍）に本塁打を浴びるなどして、惜しくも試合途中で降板。チームも敗れ、甲子園出場は叶いませんでした。

投手としてだけでなく、打者としても非凡な才能を見せつけていました。高校通算で放った本塁打は48本にも及び、これは当時の高校球界においてもトップクラスの数字でした。投打にわたるその高いポテンシャルは、多くの野球関係者から注目を集めていました。

プロ入り後の挑戦

高校卒業後、1988年のプロ野球ドラフト会議では指名漏れとなりましたが、会議後に中日ドラゴンズから声がかかり、ドラフト外という形で入団が決定。プロ野球選手としての道を歩み始めました。

プロ入り後は内野手として登録され、プロの世界に挑みました。入団初年の1989年に背負ったのは「95」番。しかし、翌1990年からは背番号が「68」に変更され、以降、現役引退までこの番号とともにプレーしました。

一軍での出場機会は必ずしも多くはありませんでしたが、主に代打としてチームへの貢献を目指しました。彼の公式戦でのプロ初出場は、1990年9月13日に中日ドラゴンズの本拠地であるナゴヤ球場で行われた対横浜大洋ホエールズ（現在の横浜DeNAベイスターズ）戦でした。この試合の5回裏、打席に入ろうとしていた投手、山内和宏氏に代わり、代打としてコールされ、プロの打席に初めて立ちました。

グラウンドでのプレー以外でも、その明るいキャラクターでファンに親しまれました。特に、球団主催のファン感謝デーなどのイベントでは、当時チームの中心打者であり、「打撃の神様」とも称された落合博満氏の物真似を披露するなど、ユーモアあふれる一面を見せ、多くのファンから喝采を浴びました。そのサービス精神旺盛な姿勢は、ファンに強く印象付けられました。

短いプロ生活と引退

プロ野球選手としてのキャリアは、残念ながら長いものとはなりませんでした。プロ入りから4年目となる1992年、10月5日、球団から戦力外通告を受けます。この通告を受け、小川祥志氏は同シーズン限りで現役を退くことを決断し、プロ野球選手としてのユニフォームを脱ぎました。

短い期間ではありましたが、高校時代に投打で才能を示し、プロの世界では一軍の舞台も経験。とりわけ、その明るいキャラクターとファンを楽しませる姿勢は、多くの人々の記憶に残っています。印旛高校が夏の決勝に進出した際の中心選手であり、中日ドラゴンズの一員としてプロの世界に足跡を残した野球人として、その名は語り継がれるでしょう。

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