小御門神社

小御門神社

小御門神社（こみかどじんじゃ）は、千葉県成田市名古屋に位置する神社です。かつては別格官幣社であり、建武中興十五社の一社として知られています。この神社は、後醍醐天皇の側近であった藤原師賢（ふじわらのもろかた）公を御祭神として祀っています。

歴史

藤原師賢公は、元弘元年（1331年）に後醍醐天皇の身代わりとして比叡山で討幕の兵を挙げましたが、捕らえられ、元弘2年（1332年）に下総国へと流されました。その地で32歳という若さで亡くなったとされています。建武中興の際、師賢公には太政大臣が追贈され、「文貞公」という諡号が贈られました。

明治時代に入り、明治10年（1877年）に、地元住民によって師賢公を祀る神社の創建運動が始まりました。その結果、明治12年（1879年）に神社創建の許可が下り、「小御門神社」という社号が決定しました。明治15年（1882年）には、師賢公の墓跡に社殿が造営され、同年4月29日に鎮座祭が執り行われました。同年6月14日には、別格官幣社に列せられることとなりました。

信仰

小御門神社は、後醍醐天皇の身代わりとなった師賢公を祀ることから、「身代わりの神」として信仰されています。特に、交通安全や航空安全にご利益があるとされ、多くの参拝者が訪れます。

文化財

小御門神社の森

小御門神社の境内には、千葉県指定天然記念物である「小御門神社の森」が広がっています。この森は、明治時代の社殿造営時に植栽された人工林が大部分を占めており、シラカシ、クスノキ、スギ、クロマツ、モミなどが生育しています。植栽から約100年が経過し、これらの木々は幹囲り1.5m以上、樹高15m以上の大木へと成長し、荘厳な景観を形成しています。

森は、シラカシ林、タブノキ林、スギ林、混生林に大別されます。社殿裏には、古くから保護されてきたタブノキ林があり、アカガシも混生しています。社務所の裏には、モウソウチクが混生するスギ林があります。社殿の東側と南側には、クスノキを中心に、スダジイ、クロマツなどが混ざり合っています。

特に注目すべきは、参道西側に広がるシラカシ林です。樹高は25mにも達しており、北総地域の代表的な常緑広葉樹林とされています。シラカシ林は、生垣や防風林など、人為的に作られた森林であると考えられていますが、小御門神社の森は、植栽時期が明らかな発達した人工林として、貴重な存在です。特に、北総地域に典型的なシラカシ林が見られる場所として、その価値は高いとされています。

ギャラリー

（ギャラリーの画像は省略）

関連図書

二六興信所編纂　山田米吉編『勤王事蹟別格官幣社精史』15〜16頁　二六興信所　1935年（国立国会図書館デジタルコレクション）
安津素彦・梅田義彦編集兼監修者『神道辞典』神社新報社、1968年、30頁
白井永二・土岐昌訓編集『神社辞典』東京堂出版、1979年、148頁

脚注

（脚注は省略）

関連項目

建武の新政

外部リンク

小御門神社 - 公式サイト
千葉県サイトのURL'>小御門神社 - 千葉県サイト

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