小智

小智（しょうち）について

小智（しょうち）は、日本の古代律令制度における冠位の一つであり、604年から648年まで存在しました。この冠位は、冠位十二階の中で最も低い地位に位置し、大智の下にあたります。冠位制度は、当時の社会において、官職や地位を体系的に示す重要な仕組みとなっていました。

制定と廃止

小智は、推古天皇11年12月5日、つまり604年1月11日に正式に制度化されました。その制度は、当時の日本の政治体制を整えるために設けられたものであり、皇族や貴族の地位を定義するための重要な手段でした。しかし、この冠位はその後、645年の大化の改新に伴う大幅な改制の一環として、647年に新しい冠位制度である七色十三階冠制によって見直されました。

小智は、648年4月1日に新制度へと移行するまでの間に存在していました。七色十三階では、小智は第12階に位置する小黒という冠位にバトンタッチされ、これによりその存在は歴史の中で役割を終えました。

小智冠位の人物

『日本書紀』の中では、小智という冠位を持つ具体的な人物の情報は見つかっていません。これは、当時の社会では、冠位が必ずしも記録に残るような重要性を持たなかったことを示唆しています。ただし、『因幡国伊福部臣古志』のような古系図では、小智冠を持つ人物の名前が登場します。特筆すべきは以下の二人です。

• - 伊福部久遅良
• - 伊福部都牟自

これらの人物は、因幡地方の伊福部氏に属する身分を持っており、その系図の中で小智の冠位を有していたことが確認されています。ただし、詳細な情報は非常に限られており、彼らについての記録がどのように残ったのかは未解明の部分が多いのが実情です。

参考文献

このような情報は、『日本書紀』や関連研究書を通じて得られます。特に、小島憲之や直木孝次郎、西宮一民らの校訂による『日本書紀』の新編版は、古代日本の制度や文化についての理解を深めるための貴重な資料です。また、黛弘道の著作や武光誠による日本古代の律令制についての研究も、小智を含めた冠位制度を考察する上での参考になります。

冠位制度の変遷

小智の廃止は、日本の位階制度における大きな変化を象徴しています。この制度は、単に冠位の名称の変更に留まらず、官職の配置や権力の分配をも大きく変えるものでした。冠位制度の歴史は、当時の社会構造や価値観を反映しており、またその後の日本の政治体制に多くの影響を与えました。これに関連して、冠位や位階制度の変遷は、研究の対象として非常に重要です。

このように、小智は日本の古代の冠位制度において、重要な役割を果たしていたものの、具体的な人物やその詳細はあまり知られていません。しかし、その歴史的意義は今もなお研究され続けています。

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