小松寺 (関市)

小松寺（こまつじ）は、岐阜県関市西田原に位置する、大慈山と号する黄檗宗の寺院です。本尊として十一面観世音菩薩を祀っています。

歴史

小松寺の起源は、治承2年（1178年）に平重盛が全国に建立した護国寺の一つであると伝えられています。創建当初は天台宗の寺院でしたが、開山は不明です。

江戸時代に入ると、小松寺は寺運が傾き、観音堂と大師堂のみが残る状態でした。その後、寛永14年（1637年）に稲葉伊勢守が潮音道海を招き、黄檗宗の寺院として再興されました。この再興によって、小松寺は新たな歴史を歩み始めました。

江戸時代には、美濃三十三観音霊場の三十二番札所として、多くの巡礼者が訪れる霊場となりました。現在では、中濃八十八ヶ所霊場の八十一番札所として、その信仰を受け継いでいます。

小松寺は、長い歴史の中で宗派の変遷や寺運の盛衰を経験しながらも、地域の人々の信仰を集める寺院として存在し続けています。創建から現代に至るまで、多くの人々の祈りを受け止めてきた場所です。

参考文献

* 『新修関市史 通史編 近世・近代・現代』 関市教育委員会　平成11年

脚注

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