小松島市葬斎場

小松島市葬斎場：歴史と変遷、そして未来へ

70年以上の歴史を刻む、地域に寄り添う施設

小松島市葬斎場は、徳島県小松島市田野町に位置する、市民の葬儀をサポートする大切な施設です。1948年、小松島町葬斎場として開場して以来、長きにわたり、多くの市民の別れを見送ってきました。当初は、小松島町葬斎場使用条例に基づき運営されていましたが、1951年の市制施行に伴い、小松島市葬斎場と名称変更。その後も、時代の変化に合わせて、1988年には条例改正が行われるなど、地域社会のニーズに応えるべく、運営体制の整備が進められてきました。

老朽化問題と新築移転：更なる地域貢献への取り組み

長年の歳月を経て、施設の老朽化が深刻な問題となりました。2016年時点では、築45年が経過しており、老朽化による機能低下や、安全性への懸念が高まっていました。そこで、市は老朽化した既存施設の西隣に、新葬斎場の建設を決定。この計画は、単なる施設の改修ではなく、地域社会への更なる貢献を目指す、重要な取り組みでした。

新葬斎場の概要：現代のニーズに応える機能とデザイン

新葬斎場は、鉄筋コンクリート造の2階建て、延べ床面積1281平方メートルの大規模な施設です。3基の火葬炉を備え、故人への弔いの場として、静かで落ち着いた空間が提供されています。また、広々とした待合室も完備されており、参列者にとって快適な環境が整備されました。

さらに、新葬斎場には、防災面への配慮も行き届いています。高さ11メートルの屋上は、津波避難場所として活用できるよう設計されており、非常時の安全確保にも貢献します。屋外階段も設置され、避難経路の確保にも配慮されています。総事業費は約10億6千万円という大規模なプロジェクトでしたが、市民の安全と安心を最優先した、重要な投資でした。

建設過程：入札の経緯と開業までの道のり

新葬斎場の建設は、スムーズに進んだわけではありませんでした。2016年3月に行われた最初の一般競争入札は、参加業者が1社のみであったため不成立。その後、4月に行われた再入札でようやく2社が参加し、事業が動き出しました。請負契約は同年5月に締結され、着工は同年5月17日。当初は2017年4月の開業を目指していましたが、最初の入札不成立の影響もあり、完成は6月末、開業は7月にずれ込むこととなりました。

アクセス

新葬斎場へのアクセスは、JR牟岐線南小松島駅、または阿波赤石駅から車で約12分と、公共交通機関を利用したアクセスも可能です。

まとめ：未来へ続く、弔いの場

小松島市葬斎場は、70年以上の歴史を持つ、地域に密着した施設です。老朽化問題への対応として建設された新葬斎場は、最新の設備と防災機能を備え、市民の葬儀をより安全で快適なものにするための、大きな一歩となりました。これからも、小松島市民の大切な儀式を支え続ける、重要な役割を担っていくでしょう。

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