小松祭り

小松祭り（こまつまつり）

愛媛県西条市に位置する小松は、秋になると地元の伝統的な祭り「小松祭り」でにぎわいます。この祭りは、もともと旧小松町で行われていたイベントであり、エド時代の中期から地域の人々に愛されてきました。特に、10月16日の夜には、小松小学校のグラウンドに多くの屋台（だんじり）が集まり、激しいかきくらべが繰り広げられます。翌17日には三嶋神社において宮出し・宮入りが行われ、祭りはクライマックスを迎えます。

歴史的な背景

小松祭りの起源は、江戸時代にさかのぼります。当時、屋台の奉納は江戸時代中期から行われており、特に高鴨神社での記録が重要です。最初の屋台の記録は、享和3年（1803）にさかのぼり、この頃から地元の祭りとして定着していきました。屋台の奉納は、小松藩においても盛んに行われており、さまざまな地域からの屋台が参加していました。江戸時代には、南川屋台や新宮屋台なども存在し、それらは今も地域の人々の記憶に残っています。

天保3年（1832年）には東町屋台が破損し、以降も多くの屋台が奉納されるなかで、各地域の伝統が育まれていきました。明治時代になりますと、さらなる屋台の数量増加が見られ、地元の他の部落においても新しい屋台が建造されるようになりました。この時期には、祭りのスタイルも変化し、神輿と屋台が共に参加する華やかな行列が姿を見せるようになりました。特に明治23年（1890年）は、屋台の新建造が行われ、西町屋台が設けられました。

近代から現代の祭り

戦後の昭和21年（1946年）、祭りはGHQの禁令から復活しました。しかし、祭り参加屋台の衰退が続きましたが、昭和50年代には町おこし運動が広がり、だんじりを運行する気運が高まりました。この運動は、子どもたちの参加も促し、地域の活性化に貢献しました。さらに、平成に入ってからも様々な新調が進み、令和元年（2019年）には南川部落が約100年ぶりに屋台を復活させるなど、伝統は続いています。

現時点では、岡村や西町西組などの15の屋台が祭りに奉納されています。それぞれの屋台は地元地域の氏神に捧げられ、地元の人々にとって重要な宗教的意味とコミュニティの絆が感じられます。さらに、各神社ごとに奉納される屋台や神祭りも存在し、それぞれが独自の歴史を持っています。特に三嶋神社では、藩主の氏神としての重要性も見られ、多くの人々が訪れます。

祭りに伴う神社

小松祭りに関連する神社には、各地域での祭りの日程や奉納される屋台の詳細がそれぞれあります。

• - 三嶋神社祭禮：主祭神は大山祇大神で、例祭日は10月16・17日です。
• - 一之宮神社祭禮：主祭神は大国主之大神で、例祭日は10月17日です。
• - 柳神社祭禮：主祭神は雷神で、例祭日も10月17日です。

それぞれの神社に奉納される屋台は神社の役目に奉じ、地域の人々の信仰を支えています。町や地域の伝統を大切にしながら、小松祭りは今後も続いていくことでしょう。

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