小松電気

小松電気株式会社の歴史

小松電気株式会社（こまつでんきかぶしきがいしゃ）は、1908年に設立された日本の電力会社です。いわゆる明治末期から昭和戦前期にかけて活動しており、北陸電力送配電管内で存在した数少ない事業者の一つでもあります。ここでは、小松電気の沿革、電力供給の状況、発電所の運営について詳しく説明します。

設立と初期の事業

小松電気は、1908年12月に地元の織物業者である織部次右衛門らの発起により設立され、1910年4月1日に開業しました。設立当初の資本金は10万円であり、開業当初の電源は吸入式ガス発動機を用いた小規模な火力発電所でした。しかし、このスタイルは長続きせず、1911年には金沢電気瓦斯の福岡発電所から受電を始め、自社発電を廃止しました。

地域拡大と新支社設立

小松電気の特色の一つは、地域に留まらず、周辺地域でも事業を展開した点です。1911年には津幡町に津幡支社、富山県の泊町に泊支社を設立し、次第に電力供給地域を広げました。1914年には能登支社を設置し、新たな市場を開拓しました。これらの支社は後に本社の設備を転用する形で発電を行ったことが記録されています。

第一次世界大戦と電力需要の増加

第一次世界大戦中は、電力需要が著しく増加しました。小松電気もこの波に乗り、1915年には電灯取付数が1万灯を超え、1919年には2万灯まで達しました。1918年には、水力発電所の建設を計画し、1921年には420キロワットの三ツ瀬発電所を完成させるなど、さらなる電力供給の拡大を図りました。

1920年代の進展

1920年代に入ると、能登支社が能州電気に譲渡され、事業は小松、津幡、泊の3地区に集中しました。また、1924年には内川電気との合併により北陸電気株式会社を設立し、その翌日に小松電気株式会社と改名。これによって資本金が500万円となるなど、会社の規模は大きくなりました。

日本海電気への傘下入り

1928年には、小松電気が日本海電気の関係会社となり、これを契機に創立当初からの役員が退任し、新たに日本海電気の役員が経営に参加することとなりました。このようにして小松電気は、日本海電気の送電線を利用して電力を他地域へも供給する仕組みを確立しました。

1930年代の成長と事業の統合

1930年代には、小松電気の供給実績は5万灯を超える成長を見せましたが、1932年には発生した大火によって一時的に灯数が減少しました。しかし、その後は早期に回復を見せ、1938年には70,000灯を超える供給を実現しました。この時期、小松電気は多くの大口取引先を持ち、工業用電力供給も増加。特に織物業が繁忙な時期であり、小口電力供給を維持しました。

合併と解散

1941年、日本海電気を中心に6社が合併し、北陸合同電気株式会社が設立されました。この合併により、小松電気は解散し、歴史を終えることとなります。これにより北陸地方の電力業界は、より一層の集中化が進みました。

まとめ

小松電気株式会社は、地域の電力供給を支える重要な役割を果たしながら、他の企業へも電力を供給した歴史ある会社でした。その活動と成長は、北陸地方の電力供給の発展に寄与したのです。

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