小林健吾

小林健吾

小林健吾（こばやし けんご、1930年5月29日 - ）は、日本の会計学者であり、滋賀大学名誉教授、青山学院大学名誉教授の肩書きを持ちます。愛知県岡崎市出身で、会計学研究の分野で顕著な業績を上げてきました。

学歴と職歴

小林健吾は、愛知県立岡崎高等学校を卒業後、1954年に名古屋大学経済学部を卒業しました。その後、1956年に名古屋大学大学院経済学研究科修士課程を修了しています。さらに研究を深めるため、1975年にはコロンビア大学を卒業し、1980年には「直接原価計算」に関する研究で大阪市立大学から経営学博士の学位を取得しました。

職歴としては、1957年に名城大学法商学部講師としてキャリアをスタートさせ、その後、1961年に専修大学商経学部助教授、1962年に経営学部助教授を歴任しました。1968年には滋賀大学経済学部助教授に就任し、1971年には教授に昇進しました。1986年に滋賀大学名誉教授となり、その後、青山学院大学経営学部教授として教鞭を執りました。2001年に青山学院大学を定年退職し、名誉教授の称号を得ました。その後も、青森公立大学経営経済学部教授、LEC会計大学院教授、特任教授として後進の育成に尽力しました。

受賞歴

小林健吾の研究業績は高く評価されており、1968年に日本会計研究学会賞を受賞しました。また、1981年には著書『原価計算発達史　直接原価計算の史的考察』で日経・経済図書文化賞を受賞しています。

研究分野と業績

小林健吾は、原価計算、特に直接原価計算の研究において、日本の第一人者として知られています。その研究は、理論的な側面だけでなく、実務への応用にも重点を置いており、会計学の発展に大きく貢献しました。多くの著書や論文を通じて、会計学の知識を広く社会に普及させることにも尽力しました。

著書

小林健吾は、多数の著書を執筆しており、主なものとして以下のものが挙げられます。

『直接原価計算』(同文館出版, 1976)
『受注利益管理 価格決定と原価見積』(同文館出版, 1977)
『最新原価計算論』(中央経済社, 1978)
『原価計算発達史 直接原価計算の史的考察』(中央経済社, 1981)
『直接原価計算 文献研究』(中央経済社, 1981)
『工業簿記』(中央経済社, 1982)
『よくわかる原価のはなし』(中央経済社, 1983)
『よくわかるダイレクト・コストのはなし』(中央経済社, 1985)
『予算管理の基礎知識』(第三出版, 1987)
『予算管理発達史 歴史から現在へ』(創成社, 1987)
『原価計算総論』(創成社, 1988)
『予算管理の知識』(日本経済新聞社, 1988)
『利益計画・予算のための販売予測』(中央経済社, 1992)
『販売予測の知識』(日本経済新聞社, 1993)
『会計士二次試験短答式原価計算 新出題傾向』(税務経理協会, 1995)
『会計士二次試験短答式標準問題原価計算』(税務経理協会, 1995)
『体系予算管理』(東京経済情報出版, 1996)
『予算管理講義』(東京経済情報出版, 1997)

これらの著書は、会計学を学ぶ学生や実務家にとって貴重な資料となっており、会計学の普及と発展に大きく貢献しています。

共編著

『簿記概論』(中央経済社, 1967) - 井下武厚, 柘植敏治と共著
『公認会計士二次試験講座 3 原価計算』(中央経済社, 1977) - 小林哲夫と共著
『日本会計制度成立史』(東京経済情報出版, 1994) - 編著
『原価計算総論演習』(創成社, 1997) - 福島吉春, 和田淳三と共著

論文

小林健吾は、多数の論文も発表しており、会計学の発展に寄与しています。

まとめ

小林健吾は、会計学、特に原価計算の分野で多大な貢献をしてきた日本の著名な学者です。その研究は、理論と実務の両面にわたり、会計学の発展に大きく寄与しました。また、教育者としても多くの学生を育成し、その功績は計り知れません。

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