小林和公

小林 和公（こばやし かずひろ）氏は、1967年1月14日に群馬県で生まれ、プロ野球選手を経て現在はプロ野球審判員として活動しています。

選手としての足跡

前橋商業高校を卒業後、淑徳大学に進学。大学野球の千葉県大学野球リーグ2部では、4年秋にチームを優勝に導き、自身もMVPとベストナインに輝く活躍を見せました。この実績が評価され、1988年オフにドラフト外でヤクルトスワローズに入団。当時の担当スカウトは安田猛氏でした。プロ入り後は背番号45を背負いましたが、残念ながら一軍の公式戦に出場する機会はなく、1991年限りで現役を退きました。

審判員としてのキャリア

選手引退から2年後の1993年、セントラル・リーグの審判員として新たなキャリアをスタートさせました。入局当初の審判番号は40でしたが、2004年からは現在の14に変更されています。

小林審判員はプロ野球界でも数少ない左利きの審判員として知られています。アウトのジェスチャーは右手で行いますが、クロスプレー時の「パンチアウト」と呼ばれるアウト宣告では、マスクを持ち替えて左手で行うのが特徴です。これは小林審判員を含め、数人の審判員のみに見られる珍しいスタイルです。

キャリアを通じて、多くの試合で公正なジャッジを下してきました。1997年4月19日に東京ドームで行われた巨人対横浜戦で三塁塁審として初出場を果たして以来、着実に試合数を積み重ね、2012年9月27日には札幌ドームでの日本ハム対ロッテ戦で三塁塁審を務め、通算1000試合出場を達成しました。さらに、2018年6月16日には札幌ドームでの日本ハム対ヤクルト戦で球審を務め、史上93人目となる通算1500試合出場を記録しています。2024年シーズン終了時点で、通算出場試合数は2136試合に達しています。

オールスターゲームには3回（2007年、2015年、2022年）出場し、2015年の第1戦では球審を務めました。また、日本シリーズには2回出場（2012年、2016年）しており、2012年の第4戦、2016年の第3戦でそれぞれ球審を務めるなど、重要な試合でも経験を積んでいます。

技術的な面では、2014年シーズンから、球審の構え方をシザーススタンスからスロットスタンスへと変更しました。これは、より安定した体勢で正確なジャッジを行うための取り組みと考えられます。2021年にはサブクルーチーフに昇格しましたが、2023年シーズンからは一般審判員として現場でのジャッジに専念しています。

国際経験もあり、2017年に日本で開催されたアジアプロ野球チャンピオンシップ2017では1試合で審判を務めました。

審判員としてのNotableな出来事

審判員としてのキャリアの中では、いくつかの出来事も経験しています。

2005年4月28日、甲子園での阪神対中日戦で球審を務めていた際、1回表に福留選手の放ったファウルチップがマスクの左前頭部を直撃するアクシデントに見舞われ、途中交代となりました。首の痛みを訴え病院へ搬送されましたが、検査の結果異常はなく大事には至りませんでした。

2006年8月9日、豊橋市民球場での中日対広島戦では球審を担当。8回終了後、広島の投手コーチの発言を選手交代の通告と誤認し、誤った選手交代が場内アナウンスされてしまうという出来事が発生しました。これにより監督から抗議を受け、試合が24分間にわたり中断。この一件に対し、小林審判員は厳重戒告と制裁金3万円の処分を受けました。

また、2018年のオープン戦では、日本ハムの投手の投球が右腕に直撃し骨折する重傷を負いましたが、手術を受け開幕までに復帰。シーズン中は右腕にサポーターを着用して試合に出場を続けました。

元プロ野球選手としての経験と、長年にわたり審判員として培ってきた豊富な経験をもって、現在もプロ野球の試合で重要な役割を担っています。

詳細情報

年度別投手成績: 一軍公式戦出場なし
背番号: 45（1989年 - 1991年）
審判出場記録:
初出場: 1997年4月19日 巨人対横浜 1回戦（東京ドーム）、三塁塁審
出場試合数: 2136試合（2024年シーズン終了時）
オールスター出場: 3回（2007年、2015年、2022年）
* 日本シリーズ出場: 2回（2012年、2016年）

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