小林和男 (ジャーナリスト)

小林 和男（こばやし かずお）

小林和男は1940年5月2日に長野県茅野市で生まれた日本の著名なジャーナリストです。彼は東京外国語大学のロシア語学科を1963年に卒業後、同年にNHKに入局しました。キャリアの初期には、神戸放送局で新人としての業務を経験し、その後東京に異動して外信部に配属されました。ここで、彼のジャーナリストとしての実力が発揮されることとなります。

活動と業績

小林は1970年から1972年の間、モスクワの特派員を経験しました。この任務では、当時のソビエト連邦の内部や外部の情勢を克明に報道し、後にウィーンを拠点にする東欧の移動特派員としても活動しました。その後、東京に戻ってからは、1982年から野中ともよと共に『海外ウィークリー』という番組のキャスターを務めました。この番組は後の『NHK海外ネットワーク』の基盤となるものでした。

番組放送終了後、小林は再び現場に戻り、1984年から1987年まで、さらに1989年から1995年までの2回、モスクワ支局長として報道に従事しました。特にソビエト連邦の崩壊に関する報道では注目を集め、彼は第40回菊池寛賞とモスクワジャーナリスト同盟賞を受賞しました。

解説委員としての活動

定年を控えた時期に小林は解説委員室に異動し、解説主幹に就任しました。NHKスペシャル『21世紀への奔流』やBS特集『21世紀への証言』のキャスターを担当し、また『NHKラジオ夕刊』などの番組にも関与しました。1999年には、彼の功績が認められギャラクシー個人賞も受賞しています。

定年退職後の活動

NHKを定年退職した後、小林は作新学院大学で教育にも携わりながらフリーのジャーナリストとしても活動を続けました。下野新聞で客員論説委員を務めると共に、サイトウ・キネン財団の評議員、作新学院の顧問など多くの役職を歴任しました。さらに、日本エッセイスト・クラブ賞の審査委員、日本グリーンクロスの評議員、日墺協会の理事なども務め、多方面に渡り活動を展開しています。

2008年には、ロシア文化への貢献が評価され、ロシア政府からプーシキン勲章を授与されました。このような業績は彼が長年にわたり築き上げてきた信頼と尊敬の証です。

著作

小林は多くの著書も残しています。代表的なものには、『ウィーンの東』や『ボルガを下る』、『だれが湾岸戦争を望んだか プリマコフ外交秘録』などがあり、彼の見解や経験が詰まった作品ばかりです。また、『希望を振る指揮者〜ゲルギエフと波乱のロシア〜』やそのロシア語版『Валерий Гергиев Симфония Жизни』など、様々なテーマについて執筆しています。

小林和男は、その豊富な経験と知識を生かし、ジャーナリズムと教育の分野で卓越した活動を続けています。

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