小林大

小林 大（こばやし まさる）氏は、1959年12月26日生まれ、茨城県水戸市出身の元モーターサイクルロードレースライダーです。

ライダーとして、小林氏は特に1980年代にその才能を発揮しました。1984年にはホンダのワークスチームであるHRCと契約を結び、全日本ロードレース選手権の250ccクラスにおいて頭角を現します。この年、自身初となる同クラスのチャンピオンを獲得。翌1985年もその勢いを保ち、見事に2連覇を達成しました。これは、当時の全日本ロードレースにおける最高峰クラスの一つで、トップライダーとしての地位を確立するものでした。

全日本ロードレース選手権における主な戦績は以下の通りです。

1984年：GP250ccクラス チャンピオン
1985年：GP250ccクラス チャンピオン
1986年：GP250ccクラス 4位
1987年：GP250ccクラス 2位
* 1988年：GP250ccクラス 2位

特に1987年シーズンでは、最終戦までタイトル争いに絡む活躍を見せましたが、シリーズランキングは2位となりました。同年第9戦のSUGOラウンドでは、予選中の転倒により鎖骨を骨折し、決勝レースを欠場するというアクシデントに見舞われています。ロードレース世界選手権への参戦に関する直接的な戦績は情報にありませんが、当時の日本のトップライダーとして、国際的な注目も集めていたことは想像に難くありません。

1989年に現役を引退した後も、小林氏はロードレースの世界に留まります。1990年から1992年にかけては、「カップヌードル・ホンダチーム」の監督として、後進の育成に携わりました。

レース界を離れた後、小林氏は異分野への挑戦を決意します。新たな目標としてヘリコプターのパイロットを目指し、ライセンスを取得。その後、雄飛航空のパイロットとして空の仕事に就きました。

しかし、2004年6月、山形空港において小林氏が操縦するヘリコプターが予期せぬ事態に見舞われました。離陸直後とみられるヘリコプターが墜落し、同乗していたカメラマンの方が尊い命を落とすという悲劇が発生しました。小林氏自身もこの事故で脊髄を損傷する重傷を負い、その結果、下半身不随という重い後遺症を抱えることになりました。

この事故に関し、小林氏は業務上過失致死の罪に問われ、裁判の結果、禁固2年、執行猶予4年の有罪判決を受けました。

壮絶な事故とそれに伴う困難を乗り越え、現在の小林氏は、産廃処理会社に勤務しながら、新たな活動にも積極的に取り組んでいます。特に車椅子マラソンに挑戦し、再びアスリートとして自身を鍛え、レースに参加する姿は、多くの人々に感動と勇気を与えています。過去の栄光、不慮の事故、そして現在の挑戦と、波乱に満ちた人生を歩んでいます。

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