山形空港

山形空港の概要と歴史

概要

山形空港（やまがたくうこう）は、山形県東根市にある特定地方管理空港で、愛称は「おいしい山形空港」です。この空港は、南北に長い山形盆地の中北部、最上川の右岸に位置しており、南北方向の滑走路を持っています。空港の東側にはJR山形新幹線や奥羽本線（愛称山形線）が並行して走っており、山形市から北へ約20km離れています。

年間の利用客数は1991年に約70万人でピークに達しましたが、翌年からは山形新幹線の開通により減少傾向に入ります。特に1999年の新庄駅延伸以降、利用客数はピーク時の4分の1以下に激減。そのため、県は利用者への運賃助成などの措置を講じ、2014年度には国内207,605人、国際便で1,824人と徐々に回復。2019年度には国内325,737人、国際29,505人という利用者数を記録しました。

滑走路と空港施設

山形空港の滑走路は開港当初は1,200mでしたが、1973年に1,500m、1981年には2,000mへと延長されました。国際定期路線の誘致を目指して、県はさらに滑走路を2,500mに延長する計画を立てましたが、利用者数の減少や仙台空港との競争により、この計画は凍結されています。

空港ターミナルビルの北側には山形県消防防災航空隊と県警察航空隊があり、それぞれ防災業務に利用されています。また、隣接する神町駐屯地は陸上自衛隊の拠点としても機能しており、全国の自衛隊が訓練のためにこの空港を利用します。

沿革

山形空港の歴史は、戦前に海軍によって造成された神山練習飛行場に始まります。戦後はアメリカ軍や自衛隊が使用した後、地方の航空路開設を目指し、山形県経営者協会が主体となって「神町空港設置期成同盟会」が結成されました。1962年に全日本空輸の協力を得て、ついに開港許可を取得しました。

初めはフレンドシップ機による東京便の開設とともに、搭乗率向上キャンペーンが功を奏し、交通量の増加に繋がりました。1970年代には、プロペラ機からジェット機への移行が進み、地域の利用者も次第に増えていきました。1984年には新ターミナルビルが完成し、更なる国際便の発展が期待されました。

しかし、1992年の山形新幹線開業、1999年の新庄駅延伸により競争は一層激化。結果として全日空が東京便を休止する事態となりました。危機的な状況の中でも、県の運賃助成やキャンペーンの効果により、日本航空やフジドリームエアラインズが就航を継続し、現在では東京、大阪、札幌、名古屋の4都市への定期便が運航されています。

災害への対応

特に印象的な出来事は、2011年の東日本大震災における山形空港の活用です。このとき、他の空港が閉鎖されていたため、山形空港は災害支援の中継地として多くのヘリコプターや輸送機による支援活動に利用され、24時間運用が行われました。

アクセス手段

山形空港へのアクセスは、山形市との連絡バスが運行されており、主要な駅との接続も行われています。そのため、交通の便も良好です。今後、空港のさらに発展と利用者数の増加が期待されます。

このように山形空港は、地域経済や防災活動において重要な役割を果たしてきました。今後もその価値が高まっていくことが期待されます。

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