小林敏男 (歴史学者)

小林 敏男（こばやし としお）

小林敏男は1944年生まれの日本の史学者で、特に古代史の分野で広く知られています。長野県長野市で生まれ、東京教育大学大学院文学研究科にて日本史学を学びました。1978年には博士課程を単位取得後に退学し、1995年に「古代王権と県・県主制の研究」というテーマで國學院大學から歴史学の博士号を取得しました。

その後、大東文化大学にて文学部の教授として教鞭を執り、古代史の専門研究に従事しました。2015年に定年退任し、名誉教授の称号を得ました。彼の研究は日本の古代国家の形成や天皇制、古代女性の地位など、歴史の深い部分に焦点を当てています。

研究と著作

小林は多くの著作を通じて、独自の視点で古代日本の歴史を探求してきました。彼の代表的な著書には次のようなものがあります。

1. 『古代女帝の時代』（校倉書房、1987年）
- 日本古代における女性天皇についての研究書で、女帝の存在とその影響を詳述しています。

2. 『古代王権と県・県主制の研究』（吉川弘文館、1994年）
- これが彼の博士論文の内容を基にしており、古代の王権や地域の支配構造についての詳細な分析がなされています。この本は2023年にオンデマンド版として再刊されています。

3. 『古代天皇制の基礎的研究』（校倉書房歴史科学叢書、1994年）
- 天皇制の制度的背景を考察し、その成り立ちを解明する学術書です。

4. 『日本古代国家形成史考』（校倉書房、2006年）
- 日本の古代国家の成り立ちに関する考察を行い、歴史学的視点からの解釈を試みています。

5. 『日本古代国家の形成』（吉川弘文館、2007年）
- 国家形成の過程を詳細に追求し、古代日本の政治体制や社会構造に関する洞察を提供しています。

6. 『日本国号の歴史』（吉川弘文館歴史文化ライブラリー、2010年）
- 日本の国号の変遷とその背後にある歴史的背景について深く探求しています。

7. 『明治という時代 歴史・人・思潮』（雄山閣、2014年）
- 明治時代の歴史と思想に焦点を当て、当時の社会の変革を分析しています。

8. 『国体はどのように語られてきたか 歴史学としての「国体」論』（勉誠出版、2019年）
- 「国体」という概念が歴史的にどのように批判され、語られてきたのかを探究した作品です。

学問への貢献

小林敏男の研究は、古代日本の理解を深めるだけでなく、現在の日本における歴史認識にも影響を与えています。彼の著作は学生や歴史学者にとって重要な資料となっており、今後の研究においてもその価値は高いといえるでしょう。

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