小林沼

小林沼の概要

小林沼は、埼玉県久喜市菖蒲町小林にある自然の沼で、小林裏沼及び小林後沼とも呼ばれています。かつての小林沼は、現在の姿よりも広範囲に広がっていた自然沼でした。1728年（享保13年）には、この沼を掘り上げて田んぼの開発が行われ、その結果として「小林後沼新田」と呼ばれる新田が生まれました。

歴史と開発

さらに、1966年（昭和41年）7月には、小林・栢間内水面特殊ほ場整備事業が完了し、周囲の掘り上げ田も含めた圃場の整備と農地の改良が進められました。この事業により、小林沼は現在の水田としての姿を備えました。圃場整備の際に採土が行われる過程で、掘り潰れ部分が埋められ、その結果、現在の小林沼が形成されました。

昔の生活文化

所在地の小林地区では、1965年（昭和40年）頃までの冬の風物詩として、掘り潰れの水面を利用してコイやフナを投網で捕える伝統がありました。捕った魚は炭火焼にされ、ベンケイに刺して乾燥させたものを正月料理として楽しむ文化がありましたが、今では忘れ去られてしまった風習です。

現在の利用

現在の小林沼は主に農業用のため池として使用されています。その周囲には水田が広がり、周回できる道路も整備されています。また、北側には沼落悪水路（三間堀）が流れ、南側には野通川が流れています。このように、自然と農業が共存している風景が魅力的です。

交通の便

小林沼へのアクセスは、埼玉県道12号川越栗橋線を利用することで便利に到達することが可能で、周辺地域との交通も整備されています。周囲は風光明媚な田園風景が広がり、地元住民のみならず訪問者にも親しまれています。

まとめ

今や普通の水田として整備された小林沼は、歴史的な背景を持ちながらも、現代社会の中で農業用水の貴重な資源として利用され続けているのです。地域の自然環境や文化を感じながら、この場所を訪れることで、昔の生活文化や歴史にも思いを馳せることができるでしょう。

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