小林知己

小林知己（こばやしともき）



小林知己は1948年8月19日に新潟県で生まれ、2009年に亡くなるまで日本映画界で特に有名な造型家の一人でした。彼は東宝で長年にわたり特殊技術部門で活動し、数々の怪獣映画に関わったことで知られています。高校を卒業後、専門学校に進学し、卒業後は背景画家を志向していましたが、背景画家の島倉二千六の紹介を受けて1973年に東宝映像美術に入社しました。

当初、彼は同じく背景画家の道を進もうとしていましたが、造型部に配属され、そこで安丸信行に師事することになります。これが小林のキャリアにおける転機となり、彼は怪獣映画の造型家としての道を歩むことになります。

1989年に公開された『ゴジラvsビオランテ』では、忙しい安丸に代わってゴジラの頭部原型とスーツ製作を担当しました。この作品は彼のキャリアにおける大きな一歩となり、その後1991年の『ゴジラvsキングギドラ』では正式に造型チーフとしてクレジットされることになりました。さらに1992年の『ゴジラvsモスラ』からは造型チーフとしての地位を確立し、以降の作品でもその役割を果たしました。

安丸信行は、小林について「無口だが仕事は真面目で巧妙」と評しており、特にその職人精神が高く評価されていました。平成年代のゴジラシリーズで小林のスーツアクターとしても有名な薩摩剣八郎は、小林を「口数は少ないが人情味があり、困難な要求にも応じてくれる職人肌」と魚且証言しています。また、ゴジラシリーズの美術助手として活動した小川正は、小林がゴジラよりも広島平和記念資料館の再現に情熱を注いでいたことを回想しています。

平成ゴジラシリーズでの彼の仕事は多忙であり、限られた時間と予算の中で従来の手法を踏襲せざるを得なかったことを悩みとして挙げています。小林知己は、副次的な存在としてではなく、作品の重要な部分を担う造型チーフとして多くの作品に影響を与えてきました。

2009年にはがんのためこの世を去りましたが、彼の最後の作品は『ゴジラ FINAL WARS』に登場するマンダであり、彼の造型技術の集大成となりました。彼が手掛けた数々の怪獣やキャラクターたちは、観客に深い印象を与え、今もなお多くのファンに愛されています。

主な参加作品



映画作品



博物館・テーマパーク



小林知己の仕事は、彼の技術と情熱を通じて、日本の映画文化において重要な位置を占めました。彼の造型は特に怪獣映画において欠かせない要素であり、その影響は今なお続いています。

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