小林英夫 (経済学者)

小林 英夫の概要

小林英夫（こばやしひでお）は、1943年8月24日、東京に生まれた日本の歴史学者及び経済学者であり、現在は早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の名誉教授です。また、同大学自動車部品産業研究所で顧問を務めています。彼の専門分野は、主に東アジア経済論と植民地経済史です。

学歴と職歴

小林氏は1966年に東京都立大学経済学部を卒業し、1971年に同大学の大学院社会科学研究科博士課程を修了しました。修了後、同大学の経済学部で助手としてキャリアをスタートし、1973年から1997年まで駒澤大学で教授として教鞭をとりました。その後、1997年には早稲田大学に移籍し、大学院アジア太平洋研究科で教授を務め、2014年に定年退職を迎えました。

研究業績

小林の研究は、特に第二次世界大戦前における日本の東アジアに対する支配と、戦後の日本社会経済史に焦点を当てています。最近では、満州国や満鉄、さらには満鉄調査部に関する著作が多く見受けられ、これらの研究は歴史的な文脈での日本のアジアに対する影響を考察するための重要な資料となっています。

剽窃疑惑と法的紛争

小林氏は、原朗による剽窃の疑惑に直面しています。原が彼を「盗用、剽窃」で非難したため、小林は名誉毀損を理由に2013年に訴訟を起こしました。2019年に東京地裁で彼は勝訴し、その後の控訴も棄却されています。さらに、最高裁もこの結果を支持し、結局、小林の名誉が守られました。ただし彼の所属する早稲田大学は、2020年に発表した調査報告書において、小林の盗作を認めています。

著書

小林は多くの著作を残しています。主なものには、1975年の『「大東亜共栄圏」の形成と崩壊』や、1983年の『戦後日本資本主義と「東アジア経済圏」』などがあります。また、1993年には『日本軍政下のアジア――「大東亜共栄圏」と軍票』という重要な著作を発表し、2001年には『戦後アジアと日本企業』を著しました。これらの作品は、彼の専門分野に関する深い洞察を提供しています。

彼は単著だけでなく、編著や共著、訳書も手がけており、数多くの学術的貢献をしてきました。特に、アジアにおける日本の産業や経済活動についての考察は非常に評価されています。

まとめ

小林英夫は、歴史と経済を軸に日本とアジアの関係を考察する際に欠かせない存在であり、その多岐にわたる業績は今後も影響を与え続けることでしょう。

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