小林靖雄

小林 靖雄（こばやし やすお）

小林靖雄は、1922年7月1日に東京で生まれ、2003年10月6日に亡くなった日本の経営学者です。彼は経営学博士号を持ち、神戸大学での学位論文「原価管理に関する研究」によって、1962年にこの学位を取得しました。彼は東京工業大学の名誉教授であり、日本中小企業学会の第3期会長も務めました。その業績により、1998年には勲三等旭日中綬章を受章しました。

人物・経歴

小林は東京商科大学（現在の一橋大学）を卒業後、1947年に東京工業大学の経営工学科に助手として就職しました。彼の研究は磯部喜一教授のもとでスタートし、1953年に助教授へと昇進します。そして1962年には教授に就任し、1976年からは工学部長を務めました。1983年に定年退官後は名誉教授として大学に残り、放送大学の副学長や西東京科学大学（現帝京科学大学）の教授も務めました。彼は1995年から2000年まで同大学の学長を務め、数々の重要ポストで活躍し続けました。2003年、帝京大学医学部附属病院にて逝去しました。

小林は日本経営工学界においても重要な役割を果たし、1979年には日本経営工学会の副会長になります。そして日本中小企業学会の設立に寄与し、1986年から1989年まで第3期会長を務めました。彼は教育分野でも活躍し、多くの後進育成に貢献しました。

著書

小林の著述は多岐にわたり、数多くの専門書を執筆してきました。彼の主な著作には、1953年に発表された『科学的管理と労働』や、1954年の『原価管理論』、1959年の『経営計画』、1961年の『計画原価計算』、そして1972年の『総合原価管理』などがあります。これらの書籍は、経営管理の分野において重要な基礎となっており、特に原価管理に関する研究は、今日の企業経営においても重要視されています。

また、彼は共編著としても多くの書籍を出版しており、『中小企業の雇用問題』や『先進国の中小企業比較』など、さまざまなテーマにおいて貴重な知見を提供しています。彼の業績は、経営学の発展に寄与したと同時に、実務の場でも活用されています。

翻訳と論文

経営学の発展に貢献するため、小林は翻訳活動にも力を入れていました。彼はK.メレロビッチの『コスト・マネジメント 原価計画と原価管理』の日本語版を監訳し、1962年に日本事務能率協会から出版しました。

彼の研究は多くの論文にも掲載されており、学術界でも高く評価されています。小林の業績は、経営学における原価管理や中小企業経営の研究に多くの影響を与え、経営学者としての地位を確立したのです。彼の功績は、現在も多くの研究者や実務家に引き継がれています。

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