小栗克裕

小栗 克裕（おぐり かつひろ）は、1962年12月15日に山梨県甲府市で生まれた日本の作曲家です。現在、聖徳大学音楽学部および大学院音楽文化研究科の准教授を務め、日本作曲家協議会の会員でもあります。

経歴

幼い頃からピアノに親しみ、鍵盤楽器のための作品を中心に作曲活動を始めました。東京芸術大学音楽学部作曲科を卒業後、1988年には同大学院音楽研究科作曲専攻を修了しています。

作曲活動と作風

小栗克裕氏の創作活動は、管弦楽作品や合唱作品を中心として展開されています。彼の作品には、キリスト教に深く関わるミサ曲やグレゴリオ聖歌から着想を得たもの、またギリシャ神話を題材としたものが多く見られます。これらのテーマを通じて、独自の音楽世界を構築しています。

また、ピアノ作品も多数発表しており、特にPTNA（ピティナ）ピアノコンペティションにおいては、2004年、2005年、2007年、2011年、2014年、2018年、2019年、2021年と複数年にわたり、その作品が課題曲として採用されています。これは、彼のピアノ作品が教育的な側面でも高く評価されていることを示しています。

さらに、2004年には、日本語による日本初のオペラと称される宣教師ドン・チマッティ作曲の「細川ガラシア」（1940年版）の復刻に関わり、その補筆とオーケストレーションを担当しました。この復刻版は東京オペラシティコンサートホールで上演され、注目を集めました。

受賞歴

小栗氏はその才能が高く評価され、数々の栄誉に輝いています。これまでに、日本交響楽振興財団作曲賞、日本財団賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞、IMC国際作曲家会議などを受賞。特に、2000年に開催された第4回ヒナステラ国際作曲コンクールでは、グランプリを獲得するなど、国内外で高い評価を得ています。

出版と録音

氏の作品は、合唱曲やピアノ曲を中心に、音楽之友社やカワイ出版などから楽譜が出版されています。また、CDもリリースされており、ピアノ作品集「水の彩る風景」第1集、第2集や、混声合唱作品集「ほたるは星になった」などがジョヴァンニ・レコードより発売され、広く聴かれています。

主要作品

管弦楽作品

ヴァイオリン協奏曲（1982年）
交響的幻想曲
「ボレアス」（1984年）
「アイオロス」（1985年）
「ゼピュロス」（1986年）
「ノトス」（1987年）
ピアノ協奏曲（1988年）
チェロと室内オーケストラによる「コンチェルティーノ」（1995年）
管弦楽のための「ディストラクション」（1996年）
ヴィオラ協奏曲（1996年）
「アンティエンヌ」交響曲（1999年）

室内楽、ピアノ、歌曲作品

弦楽四重奏曲第2番「レスポンソリウム」（1999年）
ヴァイオリンとピアノのための「詩曲」（2000年）
6本のフルートのための「Quasi ASTOR」（2000年）
ピアノのための組曲「水の彩る風景」
第1集（2003年）
第2集〜海に寄せて〜（2012年）
ピアノ連弾のための「3つのメロディー」（2003年）
連作歌曲「ためいき」（2003年）
"Automne" pour clarinette et piano（2005年）
「エレジー」（鍵盤ハーモニカのための）（2006年）
歌曲「報告」（2008年）
「耀（かがよひ）」～源氏物語に寄せる音絵巻～（小鼓&2人の打楽器奏者のための）（2008年）
”Movement 2012“ for Clarinet & Piano（2012年）

合唱作品

混声合唱とピアノによるファンタジー
「時の間に」（1981年）
「夜深くして歌へる我嘆きの歌」（1984年）
無伴奏混声合唱組曲「碧の地平」（1994年）
混声合唱とピアノのための
「Lacrimosa」（1994年）
「Dies irae」（2009年）
女声合唱組曲「ほたるは星になった」（1995年）
無伴奏混声合唱のための「Libera me」（2005年）
無伴奏女声合唱のための「Missa brevi」（2006年）
混声合唱組曲
「ほたるは星になった」（2011年）
* 「夕映えのなかで」（2011年）

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