小槻冬直

小槻冬直の生涯と業績

小槻冬直（おづきのふゆなお）は、日本の鎌倉時代から建武の新政期に活躍した官人であり、彼の父は左大史である小槻伊綱です。生没年は不詳ですが、彼の業績は当時の朝廷において重要な役割を果たしていました。冬直は、正四位下にまで昇進するなど、官僚としての地位を築きました。

経歴の概要

冬直の官歴は長く、彼は1303年に右少史に任官され、その後記録所勾当や大蔵少輔としても勤務しました。1316年に父である小槻伊綱が死去するものの、冬直はその後すぐに大夫史に昇格することはできず、壬生流の小槻千宣が官務を一手に担うこととなりました。冬直は1319年に左大史に任じられ、大夫史に就任しました。

その後、約14年間にわたり官務を担当し、さらに修理東大寺大仏長官や大炊頭を兼職することになりました。彼は曾祖父の秀氏以来の四位大史として、1334年頃には正四位下に昇進しました。また、建武の新政においては雑訴決断所の奉行としても活動しました。

役職の変遷

冬直の役職の変遷はさまざまで、1303年に右少史としてスタートした彼は、その後も様々な役割を果たしました。具体的には、記録所勾当や大蔵少輔といった役職を経て、最終的には左大史として巣立ちました。具体的には、以下のような役職を歴任しました。

• - 乾元2年（1303年）：右少史
• - 元応元年（1319年）：見左大史
• - 元亨2年（1322年）：官務、氏長者
• - 正中3年（1326年）：修理東大寺大仏長官
• - 建武元年（1334年）：正四位下、修理東大寺大仏長官
• - 建武3年（1336年）：出家

このように、冬直は多岐にわたる役職を通じて、その能力を発揮し続けました。

出家と家族

建武3年に出家し、重円という名を名乗った冬直ですが、彼の家庭にはさまざまな悲劇がありました。彼の息子である朝名や景兼は早世しており、末子の康景も幼少であったため、冬直の弟である清澄が強引にその後を引き継ぐことになりました。家族の状況は決して恵まれたものではなかったものの、冬直は多くの役職においてその才能を発揮し、時代に必要不可欠な官人としての地位を確立したのです。

総じて、小槻冬直はその生涯において数々の役職を歴任し、日本の歴史に名を残した官人でした。彼の存在は、当時の政治や文化に大きな影響を与えたといえるでしょう。永井晋の『官史補任』など、彼の詳細な情報は歴史文献に数多く記されています。

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