小汀利得

小汀利得の生涯と業績

小汀利得（おばま としえ）は、1889年12月3日に島根県で生まれた日本を代表するジャーナリストおよび時事評論家です。彼は長いキャリアを通じて、経済・政治の各分野において影響を与えました。特に、戦前・戦後の混迷した時代を背景に、彼の意見や考察は多くの人々に支持されました。

出発は早くから新聞記者を目指した小汀は、資金を得るために様々な職を経験しながら努力しました。東京に上京後、新聞配達をしつつ、教育機関に通い、早稲田大学に入学。1915年に同大学の政治経済学科を卒業しました。

その後、彼は衆議院議長秘書官としてのキャリアをスタート。しかし、長く興味を持っていた新聞界への憧れから、1921年に中外商業新報社（後の日本経済新聞）に入社しました。32歳でのこの転職は、業界内では遅咲きとされますが、彼の関心は特に経済と金融に強く、すぐに経済部長にまで昇進しました。

1930年、彼は金輸出解禁に関する論争に参加し、経済理論に基づいた反対の立場を明確に表明しました。この活動により、小汀は後に「新平価解禁四人組」として知られ、経済界での名声を得ることになりました。さらに、彼は編集局長、副社長、社長と役職を重ねながら、一貫して経済に関する信念を持ち、多くの見解を発信しました。

しかし、戦後の混乱の中において、彼は公職追放となり、1946年には貴族院議員に選出されました。この頃から彼はメディアでの活動を本格化し、1957年からはTBS[[テレビ]]の「時事放談」に出演し、特に辛口な評論家として知られるようになりました。彼の意見に対する雷のような発言は、多くの視聴者を惹きつけました。

また、大島雅太郎の重要写本を購入し、日本文化の保存活動にも努めました。加えて、フジテレビの「世相を斬る」では初代司会を務め、その後も多くの議論を提起しました。

1965年には、功労が認められ勲一等瑞宝章を授与されました。この頃からも、彼の鋭いコメントや批判は衰えることなく、むしろ多方面に影響を及ぼし続けました。1971年には体調を崩し、翌年の1972年に亡くなるまで、彼は戦後日本のメディアにおいて中核を成す存在であり続けました。

晩年には、自身の経歴や考えを自伝としてまとめ、様々な著作や対談を通じて自らの見解を広めました。彼の名声は、特に彼の独特の視点とその発言の鋭さに由来しています。小汀利得は、記者という枠を超え、評論家・文化人として日本に多大な貢献を果たした人物であり、彼の思索や発言は今も多くの人々に影響を与え続けています。

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