小江戸 (列車)

西武新宿線特急「小江戸」：歴史と現在



西武鉄道が西武新宿駅と本川越駅の間を西武新宿線経由で運行する特急列車「小江戸」。その名の由来は、江戸時代の面影を残す埼玉県川越市の別名「小江戸」から来ています。この記事では、「小江戸」の歴史、運行状況、過去に運行された列車、使用車両、停車駅、そして沿革について詳細に解説します。

列車概況



「小江戸」は全車座席指定制で、乗車には別途特急券が必要です。列車番号は下りが奇数、上りが偶数で、発車順に番号が割り振られます。定期列車は0 - 50番台、臨時・不定期列車は70 - 90番台が使用されます。基本的には平日と土休日でほぼ同じ時刻で運行されますが、大きく異なる列車も存在し、土休日の列車には60番台の番号が与えられます。

2016年3月26日に東京メトロ副都心線・東武東上線で「Fライナー」の運転が開始されたことで、西武新宿駅 - 本川越駅間と並行する新宿三丁目駅 - 川越市駅間がほぼ同じ所要時間（小江戸45分：Fライナー41分）で日中は30分間隔で運転されるようになり、競合路線として苦戦を強いられています。

現在の定期列車「小江戸」



1993年から西武新宿駅 - 本川越駅間で運転を開始した「小江戸」。朝・夕ラッシュ時には着席サービスを求める通勤客が多く利用します。

運行経緯



1969年より池袋線系統で5000系車両による特急列車の運転を開始した西武鉄道は、秩父観光の多角化を目指し、西武新宿発着の特急列車も運行するようになりました。1976年には西武新宿駅 - 西武秩父駅間の「おくちちぶ」が休日に1往復、同列車の入庫を兼ねた西武新宿駅 → 所沢駅間の「むさし」が運転を開始しました。「むさし」は後に上りも運転されるようになり、下りは本川越まで延長されました。

1993年、新型車両10000系による「小江戸」が登場しました。JR各社で通勤客をターゲットとした座席定員制列車「ホームライナー」が実績を積んでいたことや、池袋線系統の「ちちぶ」・「むさし」でも通勤客の着席サービス確保のための利用が確認されていたことが、「小江戸」の運転開始につながりました。これに伴い西武新宿発着の「おくちちぶ」・「むさし」は運行を終了しました。

運行概況（2024年3月16日現在）



平日は5時台から23時台まで、土休日は6時台から23時台まで、30分から1時間間隔で運行されています。西武新宿駅 - 本川越駅間の列車がほとんどですが、車両の出入庫の関係で西武新宿駅 - 所沢駅間の列車も存在します。1998年3月のダイヤ改正で消滅しましたが、2024年3月のダイヤ改正で平日上りのみ復活しました。

過去の定期列車



おくちちぶ



西武新宿駅 - 西武秩父駅間で運転された列車に「おくちちぶ」の愛称が使用されていました。1976年から1993年まで休日に運転されていました。

むさし



「おくちちぶ」の入出庫を兼ねて、「むさし」という列車が運転されていました。1976年から1993年まで休日に西武新宿駅 - 本川越駅間で運転されていました。

過去の臨時列車



新宿線沿線では目立ったイベントが少ないため、臨時列車の運行は限られています。

拝島線臨時特急



2011年から2014年にかけて、西武新宿駅 → 拝島駅で臨時特急が運転されました。2011年には「レッドアロークラシック」の運行を記念して、拝島線初の特急列車が運行されました。2012年には「西武鉄道創立100周年記念」として、2013年、2014年にも運転されました。

おくちちぶ (臨時)



2014年と2015年には西武新宿駅 - 西武秩父駅間で臨時列車として運転されました。

001系の新宿線・池袋線臨時特急



2019年のゴールデンウィークには、本川越駅 - 飯能駅間で001系「Laview」の臨時列車が運行されました。これは001系の新宿線初営業運転となりました。

使用車両




停車駅



現在の停車駅



小江戸：西武新宿駅、高田馬場駅、東村山駅、所沢駅、狭山市駅、本川越駅

沿革




「小江戸」は、西武新宿線沿線の通勤・通学を支える重要な特急列車として、これからもその役割を果たし続けるでしょう。

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