小池朝雄

小池朝雄について

小池朝雄（こいけ あさお、1931年3月18日 - 1985年3月23日）は、日本の著名な俳優、声優、ナレーターです。彼は東京都に生まれ、東京都立青山高等学校を卒業後、1950年に文学座付属演劇研究所に入所しました。彼の演技キャリアは、初舞台となる『崑崙山の人々』を経て、様々なテレビドラマ、映画、そしてアニメ作品に広がります。

劇団活動と映画出演

1963年に文学座の分裂があり、彼は芥川比呂志や神山繁と共に現代演劇協会附属・劇団雲の設立に関与しました。1975年には劇団雲の分裂があり、福田恆存が新しく結成した劇団昴に参加。彼はその中心的な俳優として活躍しました。

小池は、東映や日活の映画に数多く出演しました。特に、石井輝男監督の映画や『仁義なき戦い』シリーズの常連として知られています。彼は悪役として非常に印象的な存在感を持ち、狂気や内面の複雑さが表現される役柄を多く演じました。彼の演じた悪役は、時に重く、時に冷酷そのものであり、善人としての役柄も多く演じることで、幅広い演技力を示しました。

声優としての活躍

小池の名は特に声優としての仕事でも広まりました。彼は洋画や海外ドラマの吹き替えを担当し、特に『刑事コロンボ』のコロンボ役は彼にとっての当たり役となりました。ピーター・フォークやジーン・ハックマンなどの声を担当し、その低い声色が印象的でした。アニメーションの世界でも、『長靴をはいた猫』の魔王ルシファや『どうぶつ宝島』のシルバー船長などで声を務めました。

最後の作品

1985年3月23日、彼は肺不全のため54歳で亡くなりました。彼の最後の作品は『北の蛍』であり、撮影中には病院を抜け出しても参加したというエピソードが残っています。また、亡くなるほんの一週間前にはドキュメンタリー番組のナレーションを担当し、これが彼の最後の出演となりました。彼の墓所は東京都の専光寺にあります。

彼の人柄と演技への想い

小池は、文学座を離れた後も、仲間であった杉村春子に毎年薔薇の花束を贈るほどの心温まる一面を持っていました。彼の演技に対する思いは非常に深く、彼自身が「ぼくのやりたいのは、全部、狂人なんだな」と語るほど、役柄への情熱が感じられます。

小池朝雄の遺産

彼の存在は、日本の演劇や映像界において大きな影響を与えました。その多彩なキャリアと演技力は、今なお多くの人々に感動を与えています。彼の演技は多くの作品において観客の心に深く残り、今後も語り継がれていくことでしょう。小池朝雄の名は日本のエンターテインメント史において、決して色褪せることはありません。

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