小泉成一

小泉成一の生涯と作品

小泉成一（こいずみ せいいち）は、1869年8月16日に備後国福山で生まれた日本の洋画家で、その後の生涯を通じて多くの作品を生み出しました。彼は、備後福山藩士の家に生まれ、明治時代に洋画を学び、多くの教育機関で教えました。

幼少期と修業

小泉の生涯は、幼少期に上京したことから始まります。明治4年、彼の家族は神戸から東京へ移り、更なる学びを志しました。1882年には彰技堂に入学し、本多錦吉郎の指導の下、洋画や英学の基礎を学ぶことになります。その後も彼は、東京英語学校や東京仏語学校などで学び続け、1886年に彰技堂を卒業した後、小山正太郎門下に入ります。

同年、彼は高等師範学校で西毅三郎から写真術を学び、京都や奈良の名所を写生しました。これにより彼の画技は大きく成長し、彼の作品に独自の視点が表れました。

教育者としての活動

1889年、小泉は明治美術会に参加し、同年10月から東京高等商業学校で教授としての活動を始めました。次第に神奈川県や東北地方の学校で教職を歴任し、1898年からは山形県尋常中学校の助教諭としても教鞭を執ります。その後、宮城県立仙台第二中学校や私立東北学院でも教授として活躍し、多くの学生に影響を与えました。彼の教育姿勢は、学生たちに対する深い愛情と熱心な指導に根ざしています。

晩年と死去

小泉は、教育者としての傍ら、1901年には私立東北学院で教授を兼任し、啓発活動も行いました。彼の功績は高く評価され、学校の校旗のデザインを考案するなど、教育機関の形作りにも貢献しました。

1920年、彼は東華高等女学校の講師を務めていましたが、脳溢血によりわずか数日でこの世を去りました。彼の葬儀は東北学院により行われ、東京都内の寺院に葬られました。その後、彼の墓は谷中霊園に移され、家族と共に安らかに眠っています。

代表作

小泉の代表作には、1889年に制作された「小春ノ日和」があります。この作品は油彩で描かれ、当時の明治美術会に出品され、森鷗外からも称賛されました。作品は長い間、誤って他の画家に帰属されていましたが、近年の研究で小泉によるものであることが確認されました。さらに、彼が1896年に描いた「少女像」も、結婚記念に妻の像として知られ、今でも多くの鑑賞者に愛されています。

小泉家と歴史

小泉家は代々、阿部家に仕えてきたようで、成一もその流れを汲む家系の一員です。彼は波乱の時代を生き抜き、画家としてだけでなく教育者としても大きな足跡を残しました。

このように、小泉成一はその生涯を通じて、日本の洋画界に重要な貢献をした画家であり、教育者でもありました。彼の作品や教育理念は、現在でも多くの人々に影響を与え続けています。

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