小泉源一

小泉源一（こいずみ げんいち）

生涯

小泉源一は、1883年11月1日に山形県米沢市で生まれました。米沢藩士の家系で、武田遺臣を祖先に持ちます。札幌農学校林学科を経て、1905年に東京帝国大学（現在の東京大学）に入学し、植物分類学を松村任三に師事しました。1908年に卒業後、1916年には理学博士号を取得しています。

研究活動

1914年、東京理科大学からの依頼で、マーシャル諸島ヤルート島の植物と自然地理の調査を行いました。この調査は、ミクロネシアやマーシャル諸島の現地調査を含む大規模なもので、その成果は『ヤルート島植物地理』としてまとめられ、文部省の委任統治地域資料として刊行されました。この研究は、南洋諸島の植物相を解明する上で重要な役割を果たしました。

東京大学で教鞭をとった後、1919年に京都大学に移り、植物学教室を創設し、後に教授となりました。1927年には、中井猛之進とともに『大日本樹木誌』を刊行するなど、植物分類学の研究に大きく貢献しました。

日本植物分類学会の創立

小泉源一は、日本の植物分類学の発展に尽力し、その功績を称えるため、1944年には日本植物分類学会の機関紙『植物分類・地理』から「小泉博士還暦記念号」が刊行されました。これは、彼の還暦を記念したもので、多くの研究者からその業績が称えられました。

また、同年には京都大学を定年退官しています。

死去

1953年12月20日、脳血管破裂により意識不明となり、翌日、故郷である米沢市林泉寺町の実家で息を引き取りました。享年70歳でした。

業績

小泉源一は、日本の植物分類学の基礎を築いた一人として、その功績は非常に大きいものです。特に、ミクロネシア地域の植物相の解明や、日本植物分類学会の創立など、彼の研究は今日の植物学の発展に大きく貢献しています。

関連項目

牧野富太郎：日本の植物学者で、小泉源一と並び称される植物分類学の先駆者。
大井次三郎：小泉源一に師事した植物学者で、日本の植物分類学の発展に貢献した。

小泉源一は、その生涯を通して植物分類学の発展に貢献し、多くの研究者や学生を育てました。彼の研究は、後世に大きな影響を与え、日本の植物学の発展に不可欠な存在です。

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