小泉貞三

小泉貞三：日本の交通経済学を牽引した先駆者

小泉貞三（こいずみ ていぞう、1905年2月4日-1975年2月9日）は、日本の経済学者、経営学者として知られています。関西学院大学名誉教授、元関西学院大学商学部長を務め、交通経済学分野において顕著な功績を残しました。滋賀県出身の小泉氏は、関西学院大学で教鞭をとりながら、精力的に研究活動を行い、日本の交通経済学の発展に大きく貢献しました。

教育と研究の歩み

小泉氏の学問への歩みは、旧制京都第二中学校卒業後、旧制関西学院高等商業学部、旧制大阪商科大学を卒業した1936年から始まりました。同年に京都大学大学院経済学科に進学し、小島昌太郎博士に師事しました。その後、関西学院大学で助手、講師、助教授を歴任し、1949年には経済学部教授に昇任。さらに1950年には大学院経済研究科教授、1951年には商学部教授に就任するなど、関西学院大学で長く教鞭をとりました。1957年には、交通学研究のためアメリカ合衆国へ留学し、各大学を歴訪、国際的な視野も養いました。

1960年には「交通輸送力経済学の基本問題」で経済学博士号を取得しました。これは、小泉氏の研究を代表する業績の一つであり、交通経済学における重要な理論的貢献を果たしました。

関西学院大学における貢献

小泉氏は関西学院大学において、教授職にとどまらず、様々な要職を歴任しました。1961年から1966年までは商学部長、1963年から1969年までは評議員を務め、大学の運営にも貢献しました。また、1966年には滋賀大学経済学部非常勤講師として、他大学との交流にも積極的に関わりました。さらに、1968年には関西学院大学理事、1973年には名誉教授に就任し、その教育者としての貢献は多大なるものでした。

交通経済学への貢献

小泉氏の研究活動は、交通経済学分野に多大な影響を与えました。交通輸送力経済学、運賃理論、都市交通問題など、幅広いテーマを研究し、多くの論文を発表しました。代表的な著書には、『交通輸送力経済学の基本問題』(1960)や『交通の理論』(1968)などがあり、これらの著作は、日本の交通経済学研究の礎を築く上で重要な役割を果たしました。これらの著作、論文は、日本の交通政策に影響を与えただけでなく、国際的にも高く評価されました。

晩年と受賞

1969年には兵庫県教育功労賞を受賞しました。これは、小泉氏の教育・研究への貢献が社会的に高く評価された証です。小泉氏は1975年に逝去しましたが、その業績は交通経済学の分野において永く記憶されることでしょう。

主要な業績

著書

『交通輸送力経済学の基本問題』（弘文堂, 1968年）
『交通の理論』（法律文化社, 1960年）
* 『タクシー問題の研究 経営経済選書 7』（所書店, 1973年）

主な学術論文

小泉氏は、多数の学術論文を発表しました。その多くは『商学論究』や『交通学研究』といった専門誌に掲載され、交通経済学の理論構築や政策提言に貢献しています。テーマとしては、交通輸送力経済学、運賃理論、都市交通問題（特にタクシー問題）など多岐に渡り、現代の交通問題を考える上で重要な示唆を与えてくれます。

まとめ

小泉貞三氏は、教育者、研究者として、そして関西学院大学の貢献者として、日本の交通経済学の発展に多大な貢献をしました。彼の研究と教育活動は、現代の交通問題を考える上で、今もなお重要な指針となっています。その功績は、後世の研究者や政策担当者たちに引き継がれ、日本の交通社会の発展に貢献し続けるでしょう。

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