小浜西組

小浜西組：歴史と文化が息づく町並み

小浜西組は、福井県小浜市の西部に位置し、小浜湾と後瀬山に挟まれた場所に広がっています。この地区は、かつての丹後街道に沿って発展した商家町、茶屋町、寺町で構成されており、近世城下町の街路や地割りを今に伝える貴重な場所として、2008年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。さらに、2015年には「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群 - 御食国若狭と鯖街道 - 」の構成文化財として日本遺産にも認定され、その歴史的、文化的価値が広く認められています。

町並みの特徴

西組の町並みは、地区の西側に位置する三丁町に代表される茶屋町と、東側の丹後街道沿いに広がる商家町で、それぞれ異なる特徴を持っています。

茶屋町：千本格子や、2階に設けられた縁や出窓が特徴的な茶屋建築が軒を連ねています。現在も芸妓を置く料亭が残っており、往時の賑わいを偲ばせます。

商家町：切妻造平入の建物が並び、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。広市場・狭市場と呼ばれるエリアを中心に、様々な商店が軒を連ね、地域の経済を支えてきました。

* 寺町：後瀬山の麓や西端には、小浜藩主・酒井氏の菩提寺である空印寺をはじめとする寺院が集まっています。静寂な雰囲気が漂い、人々の心の拠り所となっています。

歴史

小浜西組の歴史は、戦国時代に後瀬山城が築かれたことに始まります。江戸時代に入り、京極高次が小浜城を築城すると、城下町として発展を遂げました。1684年には、東組、中組、西組の3地区に分かれ、それぞれの特色を活かした町並みが形成されていきました。

度重なる大火に見舞われましたが、明治21年の大火後に再建された建物が多く残り、伝統的な建造物群として保存されています。

主な建造物

小浜西組伝統的建造物群保存地区内には、明治21年の大火後に建てられたものを中心に、歴史的な価値を持つ建物が数多く残っています。これらの建物は、指定・登録文化財として保護され、活用されています。

町屋は、ほとんどが平入の瓦葺2階建てで、下屋庇を備えています。1階には出格子やガッタリと呼ばれる揚げ見世、2階には袖卯建が見られるものも多く、当時の建築様式を今に伝えています。また、消火活動のために井戸がある家には、玄関に井戸のマークが掲示されているのも特徴的です。

アクセス

小浜線小浜駅から徒歩約15分。

小浜西組は、歴史的な町並みを散策しながら、当時の人々の暮らしや文化に触れることができる魅力的な場所です。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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