小牛田競馬場
小牛田競馬場の概要
小牛田競馬場（こごたけいばじょう）は、1932年から1939年まで宮城県遠田郡美里町の山の神神社近くに存在した競馬場です。この競馬場は毎年春と秋に開催される地方競馬の場として、多くの人々に親しまれていました。しかし、日中戦争の影響を受けた軍馬資源保護法により、1939年4月に事実上その歴史に幕を下ろしました。
設置の背景
地方競馬規則に基づき、宮城県内には当初3つの競馬場が設けられることになっていました。その中で、愛子競馬場が1931年に廃止されたことから、新たに競馬場を設置する必要が生じました。小牛田町などの地域は、町興しを目的に競馬場の誘致を試みましたが、最終的に宮城県産馬畜産組合が小牛田町に競馬場を設置することを決定しました。
決定の要因には、1931年に小牛田町で行われた花競馬の成功がありました。このイベントは多くの観客を集めて盛況でした。町の有力者たちとの協力の元、設計と建設工事が進められ、1932年4月に競馬場が完成しました。
施設内容
小牛田競馬場の特徴的な構造としては、1周1200メートル、幅27メートルの右回りコースが挙げられます。このコースは1935年から21メートルに改修されました。また、競馬場内には一等馬や二等馬、普通馬の見所（スタンド）や検量所、事務所、投票所、引換所、厩舎、下見所（パドック）、食堂など、観客が快適に過ごせるための施設が整えられていました。これらの建物には近代的な建築様式が取り入れられ、当時の最先端の雰囲気を感じさせていました。
競馬開催日には、多種多様な飲食店や予想屋の屋台も出店し、賑やかな雰囲気が会場を盛り上げました。観客たちはレースの興奮を楽しみながら、各種の食べ物や飲み物を味わえる貴重な体験が提供されていました。
廃止とその後
1939年に入ると、日中戦争が激化し、軍馬資源保護法が制定されることで、地方競馬の存続は厳しい状況に直面します。これにより小牛田競馬場は開催を cease することとなり、長い歴史を持つこの競馬場は顧みられることなく消えていきました。
現在では小牛田競馬場の跡地には当時の賑わいを忍ばせるものは少なくなっていますが、その記憶は地域の人々や歴史に関心を持つ人たちの間で語り継がれています。地方競馬規則に基づいた競馬の形態は、現代の競馬と異なる点が多く含まれており、その特徴について知ることも思いを馳せるきっかけとなるでしょう。
参考文献
関連項目
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