小田勝美

小田 勝美（おだ かつみ）氏は、1952年5月6日に兵庫県春日町（現在の丹波市）で生まれた、日本の元男子バレーボール選手です。現役時代はセンタープレーヤーとして、引退後は指導者や組織運営者として、日本のバレーボール界に多大な貢献をしました。

選手としての輝かしい経歴

小田氏は、新日本製鐵（通称：新日鐵）の男子バレーボール部に所属し、1971年から1987年までの長きにわたりチームの中心選手として活躍しました。そのプレースタイルは、特に1メートルを超える驚異的なジャンプ力を活かした攻撃とブロックにあり、当時の日本リーグにおいて特筆すべきセンタープレーヤーとして知られました。

新日鐵が日本リーグで黄金期を築く上で、小田氏は極めて重要な役割を果たしました。特に、1973年に始まったチームの4年連続優勝、そしてその後の3年連続優勝といった栄光の時代において、田中幹保氏らとともに攻撃陣の核としてチームを牽引しました。相手チームにとって、彼の高い打点からのスパイクや強固なブロックは大きな脅威でした。

その活躍は個人記録にも明確に表れています。日本リーグにおいて、最高の選手の一人として認められるベスト6には、通算で8回も選出されています。また、リーグの個人タイトルとして、強力なスパイク能力を評価されてスパイク賞を2回、そして卓越したブロック技術に対してブロック賞を3回受賞しています。これらの傑出した個人記録とチームへの貢献が評価され、2007年4月にはVリーグ栄誉賞を受賞しました。これは、長年にわたり個人記録で顕著な成績を収めた選手に贈られる栄誉ある賞です。

全日本代表としての活動

国際舞台においても、小田氏は日本の代表選手として活躍しました。1976年にカナダで開催されたモントリオールオリンピックには、日本代表チームの一員として出場。世界の強豪を相手にそのジャンプ力と技術を披露しました。

また、世界バレーボール選手権大会には、1974年大会と1978年大会の二度にわたり出場。世界のトップレベルの戦いを経験しました。さらに、バレーボールワールドカップにも1977年大会に出場するなど、1970年代後半の日本男子バレーボールを支える重要な選手として、国際大会の舞台で日本のために戦いました。

引退後のバレーボール界への貢献

現役を引退した後も、小田氏は日本のバレーボール界の発展に深く関わり続けました。特に、自身が長く所属した新日鐵を前身とするチームの運営に尽力しています。株式会社ブレイザーズスポーツクラブでは常務取締役を務め、また堺ブレイザーズの部長としてチームの組織強化と運営に貢献しました。

さらに、日本のバレーボール全体の発展のため、Vリーグ機構の理事としてプロリーグの運営や発展に携わりました。公益財団法人日本バレーボール協会では、強化事業本部の副本部長を務めるなど、次世代の選手の育成や強化、競技力向上に向けた重要な役割を担いました。

このように、小田 勝美氏は選手として比類なきジャンプ力を武器に新日鐵の黄金期を牽引し、日本代表としても国際大会で活躍しました。そして引退後も、チーム運営、リーグ運営、競技強化といった多角的な視点から日本のバレーボール界を支え続け、その発展に貢献してきた人物です。

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