田中幹保

田中 幹保について

田中幹保は、1955年3月18日に兵庫県飾磨郡夢前町（現在の姫路市）で生まれた日本のバレーボール元選手および指導者である。彼はバレーボール界での経歴が非常に輝かしく、特に選手時代から指導者としての役割まで多岐にわたる活躍を見せてきた。元全日本男子代表監督であり、その娘である田中聖美もバレーボール選手として知られている。

選手としての経歴

田中は兵庫県立姫路東高校を卒業後、1973年に新日鐵に入社した。彼はその年からレギュラー選手として出場し、強烈なスパイクが特徴で、都市対抗全日本選手権大会でのチームのベスト4進出に寄与した。18歳で全日本代表に初選出されると、1976年のモントリオールオリンピックと1984年のロサンゼルスオリンピックに出場。その間、1977年のワールドカップ東京大会では見事に銀メダルを手にした。

ロサンゼルスオリンピックでは、下村英士選手と共にドーピング疑惑で失資格となり、大きな話題となった。これはマッサージに使用された葛根湯に含まれていた麻黄が原因とされ、そこで検出されたエフェドリンが問題視された。この事件は彼のキャリアには影響を与えたものの、彼のバレーボール選手としての実績は依然として輝かしいものであった。

1986年には監督も兼任し、1989年から1991年にかけて監督・選手としてリーグ戦で3連覇を達成。1991年に現役を引退後、1993年から94年にはアメリカとイタリアでコーチ留学を経験し、新たな知見を得た。

指導者としての歩み

その後、田中は全日本ジュニアの監督を経て、2000年10月に全日本男子代表監督に就任する。この職を通じて、彼はバルセロナオリンピック以来のオリンピック出場を目指したが、2004年のアテネオリンピック最終予選で涙を呑む結果となった。指導者としての活動はその後も続き、古巣である堺ブレイザーズでも副部長、部長を歴任し、2016年からは常務取締役としても業界に貢献している。さらに、2014年から2016年には堺市教育委員会委員として地域貢献にも力を注いでいた。

プレースタイルと技術

田中のバレーボールのプレースタイルはオールラウンドであり、主にレフトのポジションを担当していたが、ロサンゼルスオリンピックではセッター対角（オポジット）としてもプレーした。彼はオープンスパイクだけでなく、クイックプレーにも優れ、センターブロックへのジャンプも頻繁に行っていた。彼の多彩な技術と戦略眼は、チームにとって常に重要な存在であった。

賞と評価

田中の努力と成果は数々の賞に結びついており、日本リーグでの受賞歴も豊富である。彼は最優秀選手を7回、スパイク賞を4回受賞し、その業績はバレーボール界において長く記憶されるものとなっている。後に監督としても成功を収め、最優秀監督賞を数回受賞。2007年にはVリーグの栄誉賞も受けている。

田中幹保は、選手として、指導者として、日本のバレーボール界に大きな影響を与えてきた存在であり、その功績は今後も語り継がれていくことだろう。

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