小田原急行鉄道モニ1形電車

小田原急行鉄道モニ1形電車概要

小田原急行鉄道モニ1形電車（おだわらきゅうこうてつどうモニ1がたでんしゃ）は、小田原急行鉄道及びその後の小田急電鉄で運用された荷物電車です。1927年に製造されたこの車両は、当初は手荷物や小荷物の輸送用途の他に、電気機関車の代用としても使われていました。

1. 車両の製造と運用

小田原急行鉄道は1927年11月に開業し、直後の同年には4両のモニ1形電車を製造しました。以降、この車両は新宿-小田原間で荷物列車の運行に使用され、定期的な貨物の輸送を行っていました。また、当初は電動有蓋貨車としての役割も担っていましたが、極一部の車両は郵便室の設置改造を受け、郵便荷物輸送にも対応しました。

1933年には称号改正を経てモニ1形と呼ばれるようになりました。その後、1939年には郵便室の設置を受けてモユニ1形となった2両が郵便輸送に特化したことで、それ以外のモニ1・2は1941年に廃車となってしまいました。

2. 車体と主要機器

モニ1形電車は全長約13mの半鋼製車体で、幅は2590mmです。両運転台が設けられており、側面には手動の両開き荷物室扉が装備されています。前後のデザインは丸みを帯びた非貫通型で、他の近距離用や長距離用車両と共通のデザインスタイルを持ちます。主な機器には、大容量の主電動機や空気ブレーキが用意されており、木造の貨車牽引や特定条件下での電気機関車代わりの運用が可能でした。

3. 循環と改良

1941年、モニ1形電車は第二次世界大戦時に小田急から東京急行電鉄に移行し、新たに形式番号が変更されました。戦後も貨物輸送は行われ、新宿-小田原間の輸送は続きました。1950年代に進むにつれ、新聞輸送や社内用品輸送など、その用途はより多様化しました。これに伴い、車両も徐々に改良が加えられ、時には車体の色や形状が変更されました。

4. 車両の廃止とその後

1984年に全ての荷物輸送が終了したことにより、モニ1形もその役割を終え、最後の1両が廃車された際には、長年の運用の中で培った役立つ部品や台車が再利用されています。また、デト1形という入換用電動無蓋車も、廃車された時の一部の車両部品を活用して製作されました。

5. 終わりに

このように、小田原急行鉄道モニ1形電車は多くの役割を担いながら、日本の鉄道の発展に寄与しました。鉄道の歴史を振り返る際には、こうした荷物電車の足跡を忘れてはならないでしょう。

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