小町算

小町算：試行錯誤の数学パズル

小町算とは、1から9までの数字をそれぞれ一度ずつ使用し、四則演算（加減乗除）と必要に応じて括弧を用いることで、計算結果を100にする数学パズルです。方程式のような解法はなく、試行錯誤によって解を求める点が特徴です。

問題例

基本的な小町算は、以下の数式を完成させる問題です。

`1□2□3□4□5□6□7□8□9 = 100`

□には、+、-、×、÷、または空白を一つずつ入れることで、正しい等式を作ります。

バリエーション

小町算には、様々なバリエーションが存在します。

演算の制限: 乗算(×)と除算(÷)を禁止する、といった制限を加えることができます。
演算子の追加: 括弧の使用を許可したり、冪乗や平方根といった演算子を追加することもあります。
目標値の変更: 100以外の値を目標にすることも可能です。
数字の順序変更: 数字の並び順を逆にする（9□8□7□6□5□4□3□2□1 = 100）といった変形もあります。

名称の由来

小町算の名称は、平安時代の歌人で美女として知られる小野小町に由来します。その由来については、いくつかの説があります。

美しい数式: 小野小町のように美しい数式であるという意味。
深草少将との関係: 小野小町に九十九夜通いをした深草少将を偲んで名付けられたという説。
時間の経過: パズルに没頭して時間の流れを忘れてしまうことから、小野小町の歌「花の色はうつりにけりな　いたずらに　我が身世にふる　ながめせしまに」を連想して名付けられたという説。

江戸時代の寛保年間（1743年頃）には既に知られていたとされています。

解答例

小町算には無数の解が存在します。いくつか例を挙げます。

正順 (1～9)

1 + 2 + 3 - 4 + 5 + 6 + 78 + 9 = 100
123 - 45 - 67 + 89 = 100
1 × 2 × 3 × 4 + 5 + 6 + 7 × 8 + 9 = 100
1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6 + 7 + 8 × 9 = 100

逆順 (9～1)

98 - 76 + 54 + 3 + 21 = 100
* 98 + 7 - 6 + 5 - 4 + 3 - 2 - 1 = 100

類似問題

小町算と類似した問題は、世界各地で知られています。例えば、欧米では「センチュリーパズル」と呼ばれ、1から9までの数字を帯分数で100を表す問題があります。

例：

96 + 1428/357 = 100

イギリスのヘンリー・E・デュードニーは、このセンチュリーパズルについて11個の解を発表しています。

まとめ

小町算は、その単純なルールとは裏腹に、奥深い魅力を持つ数学パズルです。試行錯誤を通じて論理的思考力を養うだけでなく、歴史や文化にも触れることができる点が、このパズルの大きな魅力と言えるでしょう。

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