小簾紅園

小簾紅園（おずこうえん）

小簾紅園は岐阜県瑞穂市に位置する公園であり、歴史的な史跡でもあります。この地に足を運ぶことによって、我々は昔の人々の思いを感じることができます。特に、1861年に皇女和宮が徳川家茂に嫁ぐ際に詠んだ和歌にまつわる歴史が語り継がれています。

歴史的背景

小簾紅園が開園された背景には、皇女和宮の物語があります。彼女は、弟の孝明天皇の妹であり、1861年の結婚式のために徳川家茂のところへ旅立ちました。この時、彼女は呂久川を渡る際に、心の内を詠んだ和歌があります。和歌は、彼女が別れを惜しむ気持ちと、美しい紅葉の景色に感動した様子を表現しています。

1929年4月26日に小簾紅園が正式に開園され、和宮が詠んだその和歌を証する歌碑が設置されました。歌碑は東伏見宮妃周子の筆によるものであり、園内には多くの楓を中心とした樹木が植えられています。このため、小簾紅園は紅葉の名所として知られるようになりました。

祭事とイベント

園内では毎年、春と秋の二回の例祭が行われています。春の例祭は4月の最終日曜日に、秋の例祭は10月26日に、それぞれの形で執り行われています。また、1976年には和宮の百年祭が盛大に祝われ、皇女和宮の遺徳を偲ぶことができました。

呂久の渡し

小簾紅園の歴史的な背景には、呂久川の存在も重要です。1580年に創設された呂久の渡しは、江戸時代には中山道の渡船として利用されていました。皇女和宮が江戸へ向かう際には、警護を行った大垣藩が御座船を用意し、彼女の旅を支えました。美しい紅葉の景色を目にした和宮は、その美しさを和歌に詠みました。

1925年、河川改修工事により呂久の渡しは廃止されましたが、この渡しの跡地が小簾紅園の基となり、和宮が見た楓の庭を含む公園として整備されることとなりました。

アクセスと地理

小簾紅園は岐阜県瑞穂市呂久にあり、周囲は自然豊かな環境で特色のある地域です。バスの利用も可能で、鷺田橋から南西へ約300メートルの位置にあります。みずほバスの「呂久」バス停からは徒歩わずか2分と、アクセスも便利です。

公園内では、日本庭園として整備された美しい景観を楽しむことができ、特に紅葉の季節には多くの観光客が訪れます。和宮の思いを感じながら、自然と歴史に触れられる場所として、小簾紅園は今も訪れる人々を魅了しています。

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