小紋

小紋とは

小紋とは、着物の一種で、全体に細かい模様が施されているものを指します。模様の向きに関係なく染められているのが特徴で、訪問着や付け下げとは異なります。普段着として着用されることが一般的です。

小紋の種類

小紋には、染めの技法によって様々な種類があります。

紅型小紋
絞り小紋
更紗小紋

中でも、特に有名なのが「江戸小紋」「京小紋」「加賀小紋」です。

江戸小紋

江戸小紋は、江戸時代に武士の裃に使われた模様がルーツです。遠目には無地に見えるほど細かい模様が特徴で、高度な染色技術が用いられています。模様には、大名家ごとに定められた「定め小紋」と、庶民が洒落を楽しんだ「いわれ小紋」があります。定め小紋は格式が高く、礼装として着用できるものもあります。

江戸小紋は、型紙を使って染められますが、この型紙は伊勢で作られていました。現在では、型紙職人の後継者不足が課題となっています。

東京染小紋という種類もあり、伝統柄で基本的には単色染め絹しか使わないという特徴の「江戸小紋」とそれに比べ自由な創作が特徴の「東京おしゃれ小紋」の二種に分類されています。

1974年（昭和49年）6月2日に通産大臣指定伝統的工芸品「東京染小紋」、1982年（昭和57年）12月24日に東京都知事指定工芸品「東京染小紋」に認定されています。

京小紋

京小紋は、17世紀初頭の武士の裃を起源とし、京友禅の影響を受けながら発展しました。江戸小紋とは異なり、多色染めで様々な生地を用いるのが特徴です。模様も、江戸小紋より大きく具象的なものが多いです。

加賀小紋

加賀小紋は、京小紋の影響を受けて石川県で作られるようになった小紋です。加賀友禅の技法を取り入れた色使いが特徴です。江戸小紋の影響を受けた加賀小紋も存在します。

小紋の着こなし

小紋は、普段着として気軽に楽しめる着物です。帯や小物との組み合わせによって、様々な表情を演出できます。おしゃれ着として、街着として、幅広く活躍してくれるでしょう。

まとめ

小紋は、日本の伝統的な着物であり、その種類や模様、技法は多岐にわたります。普段着として親しまれる小紋ですが、その背景には豊かな歴史と文化が息づいています。小紋を着て、日本の美意識を感じてみてはいかがでしょうか。

参考資料

きもの豆知識講座/小紋について:http://www.someyasu.jp/mame/komon.htm
江戸小紋の世界:http://www.ekomonn.com/
紀尾井アートギャラリー 江戸伊勢型紙美術館
* 京小紋 野村松

もう一度検索