小菅修船場跡

小菅修船場跡の概要

小菅修船場跡（こすげしゅうせんばあと）は、長崎県長崎市小菅町に存在する国の史跡であり、日本の近代化の象徴的な遺構です。この場所は、1868年の12月に完成された日本初の西洋式ドックとして知られ、多くの歴史的な背景があります。完成にあたっては、薩摩藩の小松清廉や五代友厚、さらにはトーマス・グラバーなどの著名な人物が関与しました。

ドックは、船台式の設計で、煉瓦造りの機械室と英国製の巻き上げ機が特徴です。その外観から、地元では「ソロバンドック」とも親しまれています。完成後、翌年には明治政府に買収され、長崎製鉄所の附属施設としての役割を持ち始めました。この時期の所長は平野富二であり、後に1884年に三菱に譲渡され、現在の三菱重工業長崎造船所の基盤となりました。このように、小菅修船場跡は日本の産業界において重要な役割を果たしてきた施設です。

1969年には国の史跡に指定され、その価値が再認識されることとなりました。その後、2009年には「九州・山口の近代化産業遺産群」として世界遺産の暫定リストに追加され、さらに2015年には「明治日本の産業革命遺産_製鉄・製鋼、造船、石炭産業」として正式に世界遺産に登録されました。これにより、小菅修船場跡は国内外から多くの観光客が訪れる場所となっています。

ドック入りの手順

小菅修船場跡では、現在の一般的な乾ドックとは異なる方法で船がドック入りします。最初に、入り江の浅瀬から陸上へ延びた軌条に乗った船台を移動させます。修理を行いたい船舶は、入り江まで回航され、その後、海中の船台に乗せられます。

次に、陸上に設置されている巻き上げ機に接続されたロープを船舶と結びつけ、陸上まで引き上げます。この手法により、船舶の修理が完了した後は、逆の手続きを経て進水させることが行われます。このドック入りのプロセスは、当時の技術革新を物語るものであり、今でも多くの人々に興味深く受け入れられています。

交通アクセス

小菅修船場跡へのアクセスは非常に便利で、長崎バスを利用することで、最寄りの「小菅町」停留所からすぐに到着できます。観光を目的とした訪問者にとって、アクセスの良さは大きな魅力の一つです。

関連項目

• - 九州・沖縄地方の史跡一覧

外部リンク

• - 長崎市公式観光サイト「あっ！とながさき」
• - 小菅修船場跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
• - 小菅修船場跡 - 文化遺産オンライン（文化庁）

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