小見真観寺古墳

小見真観寺古墳

埼玉県行田市小見にある小見真観寺古墳は、前方後円墳の形をした大規模な古墳です。この古墳は、地域の小見古墳群の中心的存在であり、国の史跡にも指定されています。埼玉県北部、標高19メートルに位置するこの古墳は、星川の西岸に築かれました。

古墳の全長は102メートル、後円部の直径は55メートル、高さは8メートルです。前方部は幅48メートル、高さ7メートルであり、北西を向いています。墳丘の周りの溝の詳細については不明ですが、前方部の北側で幅約6.7メートル、深さ約0.57メートルの溝が確認されています。この溝からは埴輪や緑泥片岩などが見つかっています。

遺跡の発見

小見真観寺古墳はその歴史の中でいくつかの重要な発見がありました。寛永11年（1634年）には、第1主体部である後円部の石室が露出して発見され、1880年（明治13年）には第2主体部にあたる箱式石棺が見つかりました。この際、多くの副葬品も出土しましたが、現在は東京国立博物館で保管されています。古墳は1931年（昭和6年）に国の史跡に指定され、2008年には前方部の北側での発掘調査によりさらなる調査が行われました。

埋葬施設の詳細

古墳内には、後円部に位置する横穴式石室（第1主体部）と箱式石棺（第2主体部）の2つの埋葬施設が設けられています。

第1主体部（後円部石室）

第1主体部は引き続き後円部の南側に設置されており、南南西の方向に開口しています。この石室は、複室構造になっており、全長は現存で5.42メートルあります。玄室のサイズは長さ2.62メートル、幅2.33メートル、高さ2.02メートルで、玄門は幅0.68メートル、前室は長さ2.41メートル、幅2.24メートル、そして高さ2.33メートルです。石室の内部は緑泥片岩の板石で構築されており、特に玄室の床には4本の溝があり、箱式石棺が造られたことが示唆されています。

第2主体部（鞍部石棺）

第2主体部は後円部の鞍部に位置する箱式の石棺です。長さは約2.8メートル、幅は1.76メートル、高さは1.12メートルで、同じく緑泥片岩が使用されています。1880年の発見時には人骨や金環、銅鋺、鉄鏃など多くの副葬品が出土し、現在それらは東京国立博物館に所蔵されています。

歴史的意義

小見真観寺古墳はその築造時期が古墳時代後期から終末期にかけての6世紀末から7世紀初頭にかけてと推定されています。埼玉県内では、当時の古墳の中で最大サイズを誇り、また他の古墳と比較しても重要な史跡とされています。被葬者は武蔵国造と関連があると考えられています。古墳に関する詳細な調査や研究が進められており、地域の歴史や文化を理解する上で非常に重要な役割を果たしています。今後の研究においても、その遺物や構造から多くの情報が引き出されることが期待されています。

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