小谷勝重

小谷 勝重の生涯と業績

小谷勝重（こたにかつしげ）は、1890年12月24日に京都府で誕生した日本の法律家であり、最高裁判所裁判官および弁護士としてのキャリアを積んだ人物です。幼少期には体が弱く、「7歳まで生きられない」と医者に言われたこともありましたが、その経験から弱者に対する理解を深め、弁護士を目指すことになりました。

学生時代と弁護士としてのスタート

1914年、彼は法政大学専門部法律科を卒業し、弁護士試験に合格。その後、大阪で弁護士を開業します。1929年には大阪弁護士会の副会長に就任し、1946年には同会の会長に選ばれました。1941年には『日本取引所法制史論』を発表し、それが評価され法学博士の称号を授与されました。

最高裁判所への任命と裁判官としての活動

小谷は1947年に裁判官任命諮問委員会によって最高裁判所裁判官に任命されます。彼が法廷で果たした役割は非常に重要であり、いくつかの著名な事件に関与しました。特に、1952年の警察予備隊違憲訴訟、1957年のチャタレー事件、1959年の砂川事件、1960年の苫米地事件などが挙げられます。

国民審査とその背景

小谷は、1949年1月23日に初めて行われた最高裁判所裁判官国民審査において、罷免を可とする票が13万7826票、罷免を可とする率は4.56%という結果で信任を受けました。1960年にも国民審査を受け、ここでも信任が得られました。この国民審査を受けた最高裁判所判事の中で彼は特に初の5名のうちの一人となりました。

最後の年と死去

小谷は1960年12月23日に定年退官。その後も法律界においての影響を持ち続けましたが、1963年には食道がんの手術を受けた後、栄養障害を起こし、東京都市ヶ谷の国立第一病院で72歳の若さで亡くなりました。

家族

個人的な生活においては、彼には物理学者で大阪大学名誉教授の小谷恒之という息子がいます。また、彼の著書には『日本取引所法制史論』があり、法律研究の一端を担っています。

参考文献

小谷勝重の業績や生涯についてさらに知りたい方には、野村二郎の『最高裁全裁判官：人と判決』や『日本の裁判史を読む事典』をおすすめします。これらの資料は彼の法曹界への影響を理解する良い手助けとなるでしょう。

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