小野員裕

小野 員裕（おの かずひろ）

小野員裕（1959年 - 2024年5月1日）は、日本の著名な文筆家であり、大衆料理研究の第一人者として広く知られています。特にカレーに関する研究や論評においては、国内での第一人者と見なされており、横濱カレーミュージアムの初代名誉館長としても名を馳せました（2001年〜2007年）。彼の辛口論評は、多くの人々に愛され、日本のカレー文化を発展させることに寄与しました。また、明治大学などの大学でカレーの授業を担当し、次世代への知識の継承にも力を入れました。

略歴

小野は北海道で生まれ、東京都練馬区で育ちました。国士舘大学文学部を卒業した後、17歳からカレーの探求を始めます。1984年にMG出版の編集者としてのキャリアをスタートし、1989年には芸文社の編集者に就任しました。この間、彼は1994年に著書『週末はカレー日和』を発表し、カレーの魅力を広める活動を本格化させました。

2001年には横濱カレーミュージアムの初代名誉館長に就任し、カレーの発信地としての役割を果たしました。カレーに関するメディア出演が増え続け、特に2002年には『週刊朝日』でラーメンに関する連載「魂のラーメン」を担当することになり、メディアの仕事に専念するため芸文社を退職しました。

2000年代に入ると、フリーランスとなり「カレー五人衆」と呼ばれるグループを結成し、各地のカレーの専門家たちと共にレトルトカレーの開発にも取り組みました。「カレー五人衆」の名を冠したレトルトカレーは、エスビー食品によって製造販売され、多くのファンに親しまれています。さらに、レトルトカレーの監修や雑誌への寄稿を通じて、彼の影響力はさらに広がっていきました。

2024年5月1日、小野は64歳で心筋梗塞により逝去しました。長い間、多くの人々にカレーの楽しさを伝え、料理研究の分野での功績が広く記憶されることでしょう。

人物

小野は個性的な人物で、パニック障害の経験を持ちながらも、多くの人々から親しまれていました。彼は箸を正しく持てないという独特の特徴もありながら、料理の腕前はプロ顔負けでした。出張料理人としての活動も行い、一度食べた料理を忠実に再現する能力に優れていました。その教えを受けた料理人の中には、帯広のカレー店「カレーリーフ」を営む者があり、彼との師弟関係が築かれたことも特筆すべきです。

著書

小野の著書は多岐にわたります。代表作には以下が含まれます。

• - 『週末はカレー日和』（1994年、再出版あり）
• - 『週末は鍋奉行レシピで—遊び尽くし』（1995年）
• - 『東京カレー食べつくしガイド104/380店』（1998年）
• - 『魂のラーメン』（2002年）
• - 『カレー放浪記』（2006年）

メディア出演

テレビやラジオなどのメディアにも多く出演しており、特に2018年に放送されたテレビ朝日の『chouchou』では、「国民食カレー」をテーマに取り上げられました。

彼の影響は、カレーという料理を通じて広がり続け、現代の食文化において重要な存在であり続けることが期待されます。

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