小野幌神社

小野幌神社

北海道札幌市厚別区の厚別東地区に鎮座する小野幌神社は、国道12号に面した小高い丘の上に位置しています。一般的に神社の境内には狛犬が見られますが、小野幌神社には設置されていません。代わりに、本殿の妻壁には阿吽（あうん）一対の獅子の木彫像が配されており、独特の雰囲気を醸し出しています。

由緒と歴史

小野幌神社の創建の始まりは、明治時代にさかのぼります。当時の小野幌の深い森の中に小さな祠が設けられ、誉田別命（ほむたわけのみこと）がお祀りされたのがその起源と伝えられています。

この小野幌地域の開拓が始まったのは1889年（明治22年）のことです。山口県から移住した秋本槌五郎一家が鍬を入れ、荒地の開墾に着手しました。その後、開拓を進める人々が集まり住むようになると、地域の精神的な拠り所として神社の必要性が高まります。そして、1905年（明治38年）9月20日、誉田別命を祀る「小野幌八幡神社」として、現在の地とは異なる小野幌24番地の2に社殿が建立されました。

年月を経て、現在の場所に新たな敷地が寄進されたことで、1934年（昭和9年）11月に神社は移転することとなり、現在の地に改めて社殿が建て直されました。

さらに歴史が進み、1949年（昭和24年）には、下野幌地区にあった「大沢神社」が小野幌神社に合祀されました。これにより、それまでお祀りしていた誉田別命に加え、新たに倉稲魂尊（うかのみたまのみこと）も祭神としてお祀りするようになりました。

1984年（昭和59年）1月26日には、神社として単立の宗教法人登録を行い、正式名称を「宗教法人小野幌神社」としました。

1988年（昭和63年）9月10日は、小野幌地域が開かれてから百年に当たる記念日でした。これを記念して、現在の本殿と社務所が新たに建て替えられました。また、この開基百年を記念して、境内には「小野幌開基百年之碑」が建立されています。

祭神

現在、小野幌神社でお祀りされている主な祭神は以下の二柱です。

誉田別命（ほむたわけのみこと、ほんだわけのみこと）
倉稲魂尊（うかのみたまのみこと）

誉田別命は応神天皇のことで、武運長久や国家鎮護、学問の神として広く信仰されています。倉稲魂尊は、稲荷大神とも呼ばれ、五穀豊穣や商売繁盛、屋敷神など、農業や商業に深く関わる神様です。

小野幌開基百年之碑

境内に建立されている「小野幌開基百年之碑」は、1988年（昭和63年）9月10日の小野幌開基百年を記念して建てられたものです。石碑に刻まれた文字は、当時の札幌市長であった板垣武四氏によって揮毫（きごう）されました。この記念碑は、本殿や社務所の新築と同じ日に、小野幌開基百年記念協賛会によって建立されたものです。石碑の基壇部分には、当時の人々の思いや歴史を伝える碑文が記されています。

年中行事

小野幌神社では、年間を通じて様々な祭事が行われています。主な年中行事は以下の通りです。

新年祭：1月1日
どんど焼：1月15日
春季例祭：3月31日
秋季例祭：9月10日

これらの祭事は、地域の安全や繁栄、豊作などを祈願し、古くから受け継がれてきた伝統を守る大切な行事として、地域の人々に親しまれています。

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