小野義夫

小野義夫について

小野義夫は、1880年10月2日に大分県大分郡（現在の由布市）で生まれました。彼は小野同雲の二男として育ち、その後大分県立大分中学校を経て、1905年に早稲田大学法科を卒業しました。この学問的背景は、彼のその後の多岐にわたる活動において重要な役割を果たしました。

卒業後、小野氏は神奈川県の依頼により、満州における資源の調査委員として業務を開始しました。この経験を経て、1907年に古河鉱業（現在の古河機械金属）に入社し、本社で課長を務めました。彼はこの企業でのキャリアを通じて、特にラサ島燐礦株式会社（現ラサ工業）において債務整理の実績をあげ、同社の常務取締役に就任しました。

彼の経歴には多くの重要な役職が含まれており、古河鉱業の重役、関西硫酸の監査役など、多岐にわたる企業に関与しました。また、第一次世界大戦中には、ロシアのサンクトペテルブルクに派遣され、日本商社の活動の調整に貢献しました。これにより、商取引の円滑化が図られました。

小野義夫は、ラサ工業、田川炭礦、東洋鉱山、日本鑿泉採鉱、昭和木材工業、茶路炭礦など、多くの企業での役職を歴任し、さらに肥料協会や東京商工会議所などの組織でも重要な要職をなので、経済団体への貢献も非常に大きかったと言えます。

政治家としての活動も見逃せません。1950年の第2回参議院議員通常選挙において、彼は無所属で全国区から出馬し当選を果たしました。その後、1956年の第4回通常選挙では自由民主党の公認候補として再選され、参議院議員として2期連続で在任しました。この間、彼は自由党総務や参議院法務委員長、さらには裁判官弾劾裁判所の裁判官など、多くの重要な役割を担いました。

しかし、その活動の中で、1956年10月、小野義夫は胃病のために死去しました。その死は日本の政治界にとって大きな損失とされ、彼の功績に対し勲三等瑞宝章が追贈され、正五位に叙されました。彼の墓所は、多磨霊園にあります。

著作について

小野義夫はまた、著作活動にも力を入れていました。彼の主な著作には『時局産業経済打開策』（1941年、ダイヤモンド社）や『破壊活動防止法と国会の審議』（1952年、啓文閣）などがあり、政治や経済に関する彼の見解を示す重要な作品となっています。これらの著作は、彼の洞察力とその時代の課題に対する意識を反映しています。

参考文献

彼に関する情報は多くの資料に記録されています。特に、帝国秘密探偵社が編纂した『大衆人事録 第14版 東京篇』や、歴史や政治に関する様々な辞典に名を連ねています。また、近年では政治家人名事典や国政選挙総覧なども、彼の業績を辿るための貴重な資料となっています。

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