小錦八十吉 (6代)

小錦八十吉

ハワイ出身の相撲界の巨星

小錦八十吉（こにしき やそきち、1963年12月31日生まれ）は、アメリカのハワイ州ホノルル出身の元大相撲力士であり、現在はタレントとしても活躍しています。彼は高砂部屋に所属し、日本国籍を持っています。本名は同じですが、過去には本名の旧姓である「塩田」に由来する芸名「KONISHIKI」としても知られていました。

小錦は迫力ある体格を持っており、身長184cm、体重153kgです。元々の数字は、関取時代には身長187cm、体重275kg（最重量285kg）でした。彼はその大きな体から、「ダンプトラック」という異名を持ちました。得意技は突きや押し、きめ出しで、最高位は東大関という、外国出身力士として初の記録を更新しました。

幼少期からの影響

小錦はサモア系アメリカ人で、10人兄弟姉妹の中で8番目として育ちました。両親はサモアから移民した厳格なキリスト教徒であり、貧しいながらも温かい家庭環境で育ちました。学校では運動に秀でており、特にアメリカンフットボールやパワーリフティングでの活躍が光りました。彼の強靭な体は自然と育まれ、スポーツ精神が培われていきました。

1982年の6月、ハワイの高見山に導かれ、高砂部屋に入門しましたが、母は彼の決断を泣いて反対していました。新弟子検査では体重計が破損し、非常に大きな体格の持ち主であることを印象づけました。

いじめと成長

入門後は厳しい稽古と、先輩方からのいじめに耐える日々が続きました。彼は暴力を受けたこともありましたが、それをバネにして稽古に精を出し、実力をつけていきました。特に高見山の支援を受けながら言葉や文化を学び、仲間同士で励まし合い成長していきました。

1984年の7月場所で新入幕を果たし、初土俵から僅か12場所での入幕はその後のシーケンスで目立つ躍進となりました。最初の金星を横綱の千代の富士から奪ったことがニュースとなり、「黒船来航」として知られるようになりました。

大関昇進とその後

1987年、数多くの戦績を経て、大関に昇進しました。同じ時期に北勝海も横綱に昇進し、彼もまた横綱になるという期待が寄せられました。しかし、膝の怪我に悩まされる日々が続き、最重量の体を活かしきれないことが多くなりました。

その後、1995年には大関から陥落し、1997年11月には現役を引退するまでに多くの挑戦と挫折を重ねました。引退後は年寄・佐ノ山を襲名し、高砂部屋にそのまま留まって後進指導にあたりましたが、短期間で退職しました。

現在の活動

引退後、小錦はタレント活動へと転向し、CMへの出演や音楽活動にも力を注ぎました。自身のアルバムをリリースし、テレビ出演も増え、「CMの横綱」として幅広く知られる存在となりました。また、福祉や震災復興に取り組む「小錦基金」も設立し、社会貢献にも取り組んでいます。

彼の人生は、相撲界での成績だけでなく、多くの人々と繋がりながら地域社会に貢献する姿勢も評価されています。引退後もタレントとして、多方面で活躍する小錦八十吉は、相撲ファンのみならず多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索