小黒

小黒冠位の概要

小黒（しょうこく）は、645年に日本で制定された冠位の一つで、13階の位階制の中で12番目に位置しています。この冠位は647年に大化3年に設けられ、648年から649年まで実際に用いられました。小黒は上位の大黒の下、さらに下位の建武の上に位置する重要な冠位です。

制定背景と特徴

小黒の冠位は、七色十三階冠の一部として設けられました。この制度は、権威や地位を示すための重要な仕組みで、官吏の位階を分かりやすく管理することが目的とされていました。小黒の実施は、648年4月1日に始まり、これにより新しい位階制度が日本の政治文化に浸透していきました。

冠のデザインには独特の特徴があり、黒冠が使用され、菱形の錦で縁取られていました。これにより、大黒との違いが明確にされました。大黒と小黒の両冠位には、鈿（しん）として銅製の装飾が施され、緑色の服を着用することが定められていました。これらの詳細は、冠位制度の美的側面を強調するものでもあります。

歴史的意義と変遷

しかしながら、小黒は短命であり、647年に制定されてからわずか1年後の649年2月には、新たに冠位十九階が導入され、そこで小黒は小乙上と小乙下の二つに分割されて廃止される運命をたどりました。このことから、小黒の冠位を実際に授かったとされる歴史的人物は記録には残っていませんが、後継である小乙上・下については、いくつかの記録が確認されています。

終わりに

小黒は日本の古代における位階制度の重要な一部として、短い間ではあったものの、国の政治と文化の中でその役割を果たしました。その後の位階制度の変更は、官吏の役割や地位の変化を反映した結果でもあり、時代の変遷とともに形を変えていく事例が多く存在します。小黒の冠位を通じて、当時の日本社会における政治的権威や価値観について、より深く理解を得ることができるでしょう。

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