少女リバース

韓国のエンターテインメント企業、カカオエンターテインメントが手掛けた『少女リバース』（소녀_리버스）は、K-POP界に新たな潮流をもたらしたバーチャルガールズグループ誕生を目的としたサバイバルオーディション番組です。現役のガールズグループメンバーたちが、仮想世界でバーチャルキャラクター「少女V」に変身し、現実世界の「少女X」として再びステージに立つ夢を叶えるため、熾烈な競争を繰り広げました。この画期的な試みは、韓国初の本格的なバーチャルアイドルサバイバルとして注目を集め、日本ではABEMAを通じて独占配信されました。

番組のコンセプトと進行

この番組の舞台となるのは、参加者が召喚される仮想世界「異世界W」です。ここでは、現実の姿を離れた30名の現役ガールズグループメンバーが、「少女V」という個性豊かなバーチャルアバターとして登場します。彼女たちは、最終的に選ばれる5名のメンバーで構成されるバーチャルガールズグループとしてデビューすることを目指します。番組は様々なミッションやパフォーマンスを通じて参加者を評価し、視聴者である「ラバース」の投票などが結果に大きく反映される形式で進行しました。参加者を導き、時に厳しい評価を下す「ワォッチャー」と呼ばれる水先案内人の存在も、番組に緊張感と深みを与えました。サバイバル過程では、「1対1デスマッチ」や「少女大戦」など、多様な形式の対決が繰り広げられ、参加者たちはそれぞれの歌やダンスのスキル、そしてバーチャルキャラクターとしての魅力を競い合いました。

放送開始までの波乱と軌跡

『少女リバース』は、その放送開始に至るまでに少なからず波乱がありました。カカオエンターテインメントが番組制作を発表したのは2022年10月6日で、当初は同年11月28日の公開を予定していました。その後、参加者たちの自己紹介映像やティーザー映像が順次公開され、放送開始に先立って視聴者による予選投票も実施されるなど、期待が高まっていました。テーマ曲「I Promise」もMMA 2022で先行公開されるなど、順調に見えましたが、初回放送予定日の直前、一部クリエイターとの著作権交渉の難航を理由に、番組の無期限延期が発表され、関連情報が全て非公開となる事態が発生しました。しかし、制作側の尽力により事態は収束し、同年12月22日には改めて2023年1月2日の放送開始が確定、非公開になっていた情報も再び公開されました。そして、予定から遅れて2023年1月2日に無事、番組はスタートを切りました。

最終デビューとその後の活動

約2ヶ月にわたるサバイバルの末、2023年3月6日に行われた決勝戦で、最終デビューメンバーが決定しました。選ばれたのは、クォン・ウンビ、オ・ハヨン、ルダ、ヒジン、スビン（いずれもバーチャルキャラクター名に対応する現実のアイドル）の5名で、グループ名は「FE:VERSE」（フィバース）と発表されました。デビュー決定後、FE:VERSEはバーチャルアイドルとしての活動を本格化させます。同年4月末から5月にかけて、メンバーのコンセプトフォトやデビュー曲となる「CHO」のトラックリスト、ミュージックビデオのティーザーなどが公開され、グループのビジュアルと音楽性が披露されました。5月8日にはミニショーケース「CHO MINI CONCERT」を開催し、翌5月9日に音源とMVが正式に公開されました。さらに、日本での展開も積極的に行われ、同年9月25日には「CHO」の日本語版が公開され、翌9月26日には『JAPAN 1st ALBUM ＜CHO -Japanese ver.-＞』がリリースされるなど、グローバルな活動にも注力しています。

番組を彩った人々

『少女リバース』の進行には、参加者たちを支え、導く様々な立場の人物が関わりました。「ワォッチャー」としてBoom、元S.E.S.のパダ、Aiki、そしてペンスが出演し、ユニークな視点と専門知識で番組を盛り上げました。また、APOKI、キム・スビン、イ・ミンヒョクといったゲストも番組に登場し、多角的な視点を提供しました。番組の主役である参加者たちは、現役ガールズグループメンバーとして既に実績を持つ30名が参加し、それぞれの経験と情熱をバーチャル世界で表現しました。

まとめ

『少女リバース』は、現実と仮想空間を融合させた革新的なアイドルオーディションとして、K-POPエンターテインメントの新たな可能性を示しました。一度は延期されるというアクシデントに見舞われながらも、無事放送を完遂し、個性豊かな5人のバーチャルアイドルグループFE:VERSEを誕生させました。彼女たちの今後のバーチャル、そして現実世界での活動は、ファンにとって、またK-POP業界全体にとっても、引き続き注目の的となるでしょう。

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