少女海賊ユーリ

少女海賊ユーリ：時を操る冒険の物語

概要

『少女海賊ユーリ』は、みおちづる作、永盛綾子作画による、小学生高学年から中学生向けの長編冒険小説シリーズです。童心社フォア文庫より全10巻が刊行され、シリーズ累計25万部を記録する人気作品となっています。物語は、未来世界から現代にタイムスリップした少女ユーリが、時を操る不思議な力を持つ石「時光石」の謎を巡り、仲間たちと共に数々の冒険を繰り広げる様子を描いています。

時光石とザリア石

時光石は、未来世界でユーリと彼女の父親が開発した、時間を操る能力を持つ三つの石（青、緑、赤）です。これらの石は、宇宙から飛来した隕石「ザリア石」を加工することで作られました。ザリア石は、光を当てると青、緑、赤の３色の時光波を放ち、その波を結晶化することで時光石が生成されます。加工されたザリア石は、月の光に透かすことで、未来の様子を映し出すこともできるようです。

青の時光石（ブルー・ストーン）：ユーリが所持。時間を止めたり、戻したりすることが可能です。
緑の時光石（グリーン・ストーン）：ボルドが所持。時間を進め、空間移動（ワープ）を可能にします。
赤の時光石（レッド・ストーン）：青と緑の時光石の力を制御し、増幅させる力を持つ石ですが、未来世界の争いの最中に大爆発を起こし、世界を半壊させてしまいました。

物語の舞台：リーデニア海

物語の舞台は、広大なリーデニア海とその周辺の島々です。

リーデニア海：「ライデンバード」という鳥の伝説が語り継がれ、ユーリの海賊旗にも描かれています。
オーデニア国：リーデニア海最大の軍事力を持つ王国。国王ローデンは領土拡大を企み、国民に重税を課しています。
ラドニア島：かつては豊かな島でしたが、オーデニア国に征服されました。
オラキス島：レッドクリスタルという宝石の産地。ザリア石と似た物質と言われています。
ハート諸島：多くの小さな島々が連なり、「海の宝石」と呼ばれるガラス職人の島々です。
海賊波止場：オウム諸島にある、海賊専用の波止場。温かい人々が暮らしており、海賊同士の争いは禁じられています。
氷の王国：リーデニア海の北方に位置する、万年氷の上に築かれた王国です。

主要キャラクター

ユーリ：主人公。未来から来た天才科学者で、ユーラスティア号の船長。剣の名手であり、航海術にも長けています。時光石の爆発事故に巻き込まれ、過去にタイムスリップしました。
ゴア：ユーリの護衛ロボット。高い戦闘能力と、高度な情報処理能力を持っています。
ノエル：ラドニア島の姫君。故郷を失い、ユーリと共に冒険の旅に出ます。
レニー：ユーラスティア号の海賊見習い。実はオーデニア国の王位継承者です。
ザーナン：リーウィー族の少年。言葉が話せませんが、ケルンという縦笛の名手です。
ボルド：ユーリの宿敵。黒いマントを纏い、時光石を手に入れて世界を支配しようと企んでいます。
* ローデン：オーデニア国王。野心家で、不老不死を求めています。

その他のキャラクター

物語には、ユーリ達と共に冒険する海賊仲間や、様々な敵キャラクターが登場します。それぞれのキャラクターが個性的で、物語に彩りを添えています。カラザン、ガラナン、デミル、ロメス、ドミノス、ビノ、マルロー、ポッポ、ガーグ、アッカ、ヨハンなど、ユーラスティア号の個性豊かな乗組員たちがユーリの冒険を支えます。

物語の展開

各巻では、ユーリたちが新たな事件や謎に遭遇し、解決へと導いていきます。時光石をめぐる争いや、リーデニア海を揺るがす陰謀などが、物語を盛り上げます。物語は、ユーリが時光石の力を制御し、リーデニア海の平和を守るため奮闘する姿、そして仲間との絆を描いています。最終的には、時光石の力と、その危険性をめぐる決着が描かれ、ユーリ達は未来へと帰還します。

作中の発明品

発明家のデミルが作った様々な発明品も物語を彩ります。のびる手、へんてこなたいこ、10連発のパチンコなど、ユーモラスな発明品が物語にアクセントを加えています。

用語解説

物語には、万年嵐、リーウィー族、虹の短剣、さまよえる宝島、ルナ・リリー、ヒカリシンジュガイ、氷真珠、クリスタル・コンバートマシーン、時空間調整機など、独特の用語が登場します。これらの用語は物語の理解を深める上で重要です。

単行本情報

『少女海賊ユーリ』シリーズは、通常版と図書館版の両方で刊行されています。各巻にISBNが記載されており、必要に応じて参照することができます。

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