少年無宿シンクロウ

少年無宿シンクロウ

『少年無宿シンクロウ』は、原案：さいふうめい、漫画：星野泰視による日本の漫画作品。2006年から2007年にかけて『週刊少年マガジン』(講談社)で連載されました。全6巻の単行本として刊行されています。

あらすじ

物語の舞台は封建社会末期の日本。主人公のシンクロウは、赤ん坊の頃から丁半博打を生業とする明神一家のもとで育ちました。15歳になり、一家に正式に加入することを考えていたシンクロウですが、自身の胸に刻まれた「神供朗」という火傷の痕が気になっていました。その理由を知る者は誰もおらず、手がかりを探し求めるシンクロウの前に、お蝶という女性が現れます。彼女は火傷の理由を教える代わりに、寺の裏門を開けて待つように告げます。真実を求め、お蝶を待つシンクロウでしたが、そこで彼を待ち受けていたのは、予期せぬ裏切りと悲劇でした。明神一家は浪人によって皆殺しにされ、シンクロウは復讐のために放浪の旅に出ることを決意します。

主な登場人物

神供朗（シンクロウ）

本作の主人公。15歳の少年。出生は不明で、胸に篆書体で「神供朗」と書かれた火傷の痕があります。明神一家壊滅後、仇討ちのために放浪の旅に出ます。道中、天神一家の岩須朗に金を奪われますが、勝次との出会いを経て、無事取り返すことに成功。武居宿では六道一家の討ち入り騒動に巻き込まれ、最終的に武居宿の親分として迎えられますが、出自の秘密を求めて再び旅立ちます。その後、赤城山近辺の村で人柱として誘拐された過去、そして胸の焼印の真相を知ることになります。真の敵は国定忠治。

住職

明神一家が本拠とする寺の住職。シンクロウの出生について何かを知っている様子でしたが、浪人の襲撃によって命を落とします。

安（やす）

明神一家の子分で、シンクロウの兄貴分。シンクロウと兄弟の契りを交わそうとしていましたが、志半ばで命を落とします。

貸元（かしもと）

明神一家の親分で、シンクロウの育ての親。襲撃によって命を落とします。

お蝶（おちょう）

シンクロウの出生を知っているかのように近づき、浪人を引き入れて明神一家を襲撃した張本人。シンクロウに討たれる間際、自身と同じ名前と刻印を持つ弟が殺されたことを告げ、「胸の刻印は誰にも見せるな」と警告します。

岩須朗（がんすろう） / 分賀（ふんが）

天神一家の親分格。シンクロウを襲い金を奪いますが、勝負に敗れます。勝次によって斬られ、分賀はシンクロウに逃げられます。

勝次（かつじ）

別名「不知火の勝次」。旅の途中でシンクロウと出会い、興味を持ちます。六道一家との因縁があり、獄三郎を討ちます。後にシンクロウ一家の子分となり、最後まで生き残ります。シンクロウに上州長ドスを渡しました。

獄三郎（ごくさぶろう）

六道一家の親分で、別名「六道辻の獄三郎」。武居宿を牛耳り、恐れられていましたが、勝次とシンクロウによって討たれます。

茂（しげ）

六道一家の子分。シンクロウの案内役を務め、命を助けられたことから、獄三郎の死後、シンクロウの下につきます。シンクロウ一家の子分として、最後まで生き残ります。

圓太（えんた）

別名「帆立の圓太」。元羽子板職人で、偽物作りの名人。シンクロウの出生に関わる話を語り、彼を「親分」と呼んで慕います。賭場での取り仕切りに才能を発揮し、シンクロウ一家の子分として最後まで生き残ります。

小夜（さよ）

帰雲山のふもとの村の名主の娘。男装して旅をしていましたが、山津波を鎮めるために人柱になろうとしていたところをシンクロウに助けられます。名主の悪事を知り、旅に出ます。

蠍火の小鉄（さそりびのこてつ）

蠍火一味の頭。かつて江田村の百姓でしたが、シンクロウに敗れた後、彼の下につきます。新八に刺され重傷を負いますが、一命を取り留めます。シンクロウ一家の子分として最後まで生き残ります。

吾助（ごすけ） / 長治（ちょうじ）

蠍火一味の一員。小鉄に忠誠を誓い、シンクロウ一家の子分として最後まで生き残ります。

留作（とめさく） / 伝八（でんはち） / 次郎（じろう） / 仁三（じんぞう）

蠍火一味の一員。小鉄に忠誠を誓いますが、国定忠治との戦いで命を落とします。

捨吉（すてきち）

蠍火一味の一員。シンクロウに返り討ちにされます。

お園（おその）

蠍火の小鉄の姉。天野屋清吉に助けられます。

新八（しんぱち）

蠍火一味の一員でしたが、実は天野屋清吉の部下。小鉄を殺害し、シンクロウの命を狙いますが、最後は小鉄に討たれます。

天野屋清吉（あまのや せいきち）

江田村の養蚕を発展させた人物で、お園の夫。その正体は新八を操る黒幕。2年前に小鉄の両親を殺害した張本人です。

大前田英五郎（おおまえだ えいごろう）

大前田一家の親分。上州に名を轟かせる大親分。

国定忠治（くにさだ ちゅうじ）

赤城山国定一家の親分。赤子を売り捌いて財を成し、渡世に入りました。シンクロウを抹殺しようと企みますが、最後は捕らえられ磔刑に処されます。

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