少年誘拐ホルマリン漬け事件

少年誘拐ホルマリン漬け事件

この事件は、少年愛者による悲惨なバラバラ殺人事件として広く知られています。加害者と被害者の両方の親が著名人であり、衝撃を与えた事件の一つでもあります。

経緯

事件の被害者は、プロレスラーである清美川梅之の息子、A（12歳）です。当時、Aは母親に引き取られており、清美川はプロレスのため長期にわたり海外に滞在していました。1957年4月2日、Aは銭湯に出かけたまま帰らず、2日後に母親に脅迫状が届くという事態に陥りました。これを受け、母親はすぐに警察に通報しました。

脅迫状には身代金の要求があり、母親は指定された金額を用意し、鶴ヶ島駅で待ちました。しかし、Aも犯人も現れなかったのです。その後、Aの同級生から銭湯でAが25歳前後の男性と一緒に出ていたとの証言が寄せられたものの、特定には至りませんでした。

発生した脅迫

同年の4月9日、警察はある精神病院からの通報を受けます。その通報は、東京都中野区に住む囲碁棋士の息子であるX（当時26歳）がホルマリン漬けにされた遺体を所有しているというものでした。警察がXの自宅に駆けつけますと、遺体は行方不明になっていたAであることが確認され、Xは逮捕されました。

加害者の異常性

Xは、犯行前より少年たちを誘い出し、性的な行為を強要するなどの行為を繰り返していました。また、彼は自分の飼い猫を殺して食べるという異常な行動も行っていたことが知られています。事件の数日前、XはAに接近したことが判明し、Aは同級生に対し「背中を流してくれたあの人に、僕は殺されるかもしれない」と話していました。

4月1日、XはAに接近し、銭湯でAを自宅に誘いました。家族が銭湯にいる隙を見計らい、二人きりになった時、XはAに暴力を振るい、殺害してしまいます。

Xはその後、Aの遺体を二晩かけてバラバラにし、4つのホルマリン容器に保管しました。彼は精神病院に入院するまで、毎晩それを取り出して眺めるという異常な行動を続けていました。さらに、Aの家に脅迫状を送り続けることで、さらなる恐怖を煽っていました。

彼はその一部始終を詳細に日記に記録し、『若松湯』というノートには、「ついに捜し求めていた理想の少年を見つけた」といった言葉が残されており、この異常な心理が浮き彫りとなっています。

事件の結末

Xは精神鑑定を受け、責任能力が認められた後、1958年7月に懲役10年の判決を受け、その後控訴することなく服役しました。

関連書籍

• - 下川耿史『殺人評論』　青弓社 1991年

関連項目

• - 誘拐

この事件は、加害者の異常性と無惨な行為がどのように発生したのかを考察させられると同時に、周囲の人々が知らないところで起こる恐怖の一例とも言えるでしょう。

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