清美川梅之

清美川 梅之について

清美川梅之（きよみがわ うめゆき）は、日本の大相撲とプロレスの両方で歴史に名を刻んだ力士でありレスラーです。彼は1917年1月5日に秋田県平鹿郡十文字町で生まれ、本名は佐藤梅之助（さとう うめのすけ）でした。身長182cm、体重94kgという堂々たる体格を持ち、独特のスタイルで相撲界に名を残しました。最高位は東前頭筆頭で、得意技には左四つ、上手投げ、外掛けがありました。1946年の相撲廃業後、結婚し大橋梅之助という名前でも知られましたが、後に離婚し様々な転機を経て佐藤姓に戻りました。

大相撲時代

彼の相撲人生は、同じ秋田出身の力士幡瀬川に触発され、伊勢ヶ濱部屋に入門した1934年1月に始まりました。初名は薩摩川であり、そこから彼の才能は早くも注目を集めました。1938年には十両へ昇進し、1940年には新入幕を果たしました。その後、1942年5月には横綱双葉山を外掛けで打ち破り、“金星”を手に入れ、その名声を高めました。1943年の5月場所では11勝4敗という成績で優勝旗手としての栄光をつかみ、美男力士と称される人気を博しましたが、家業を継ぐため1946年に相撲界を引退しました。

プロレスキャリア

清美川は1953年にプロレスに転向し、山口利夫と共に旧全日本プロレスを設立しました。彼は1954年に日本プロレスでの旗揚げシリーズに参加し、その後、国際プロレスに移籍するなど、プロレス界でも一時代を築いた選手となりました。特に1956年5月15日には、木村政彦とのコンビでラウル・ロメロとヤキ・ローチャを破り、中南米タッグ王座を獲得しました。

彼はキャリアの中で、メキシコ、南米、アフリカ、ヨーロッパを転戦し、日本人レスラーの名を高め続けました。アメリカのNWAトライステート地区では「トーゴー・シクマ」というリングネームで活動し、1967年にはシャチ横内と共にUSタッグ王座を獲得しました。彼のレスリングスタイルや姿勢は多くのファンを魅了し、素晴らしい戦績を残しました。

その後の人生と影響

1970年に日本に帰国し、国際プロレスで活躍する傍ら、欧州のプロレスとの連携にも力を注ぎました。また、レフェリーに転身し、1974年にはアントニオ猪木対ストロング小林の試合を裁くなど、リング内外での影響も大きかったです。女子プロレスの育成にも力を入れ、全日本女子プロレスでコーチを務め、多くの選手を指導しました。

しかし、私生活では逆境もあり、1957年には元妻に引き取られた長男が誘拐・殺害されるという辛い経験をしました。

結局、清美川梅之は1980年に静岡県で脳卒中により63歳で死去しました。彼の功績は今なお、相撲やプロレスの世界で語り継がれています。その生涯を通じて、彼は数多くのファンに愛され、影響を与えた偉大な選手であったと言えるでしょう。

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